旅にでる

あるところに貧しい女がいた。その女の息子は旅に出たがっていた。でも母は言った。「お前はどうやって旅に出るんだい?お前にあげられるお金なんて全くないんだよ。」そして、息子は言った。「僕は自分でなんとかするよ。僕はいつも、あまりない、あまりない、あまりないと言うことにするよ。」

そして彼は長い間歩きいつも「あまりない、あまりない、あまりない。」と言った。彼は漁師達のそばを通りかかって言った。

「幸運がありますように!あまりない、あまりない、あまりない。」

「やい、坊主。なんてこと言うんだい?」若者は再び少し歩いて言った。

「神様、貧しい魂に哀れみを!」そうして彼は穴のところへさしかかった。そこでは働けなくなった家畜の処理業者が馬を切り裂いていた。若者は言った。

「おはよう。神様、貧しい魂に哀れみを!」「なんだとー、この野郎!」と言って家畜処理業者は若者の耳のあたりを一発殴ったので、若者は見えなくなった。

「それじゃあ、なんて言ったら良いのですか?」「腐った肉が穴に、と言ったらいいんだよ。」

それから、若者は歩き続けずっと言った。「腐った肉が穴に、腐った肉が穴に。」そのとき人でいっぱいの馬車に差し掛かかった。若者は言った。

「おはよう。腐った肉が穴に!」

馬車は若者を穴に落とし、馬車をひいていた馭者はむちを取り若者を打ち付けた。彼はやっとのことで這うようにして母親のところへ帰り、生きている間もう2度と旅へは出ませんでしたとさ。