神の食べ物

むかしむかし、あるところに姉妹がいました。1人は子どもがいない裕福な暮らしをしていました。もう1人は5人の子どもがいる未亡人で、とても貧乏な暮らしをしていたので食べる物がもう何もありませんでした。

仕方なく、必要に迫られてきょうだいのところへ行き、「子どもたちも私も本当にお腹が空いているの。あなたはとても裕福だわ、ほんの少しでいいからパンを恵んでください。」と言いました。

とても裕福なきょうだいは頑(かたく)なになって、「うちには何もないわ。」と言い、可哀そうなきょうだいを冷たく追い払ってしまいました。しばらくして、裕福なきょうだいの夫が帰ってきて、食事をしようとパンに最初の切れ目を入れたちょうどそのとき、パンから赤い血が流れてきました。それを見ていた妻は恐れて夫に今までの出来事を話しました。

夫は急いで未亡人と子どもたちを助けに行き、部屋に入りましたが、手遅れでした。未亡人は2人の年下の子どもたちを両脇に抱きかかえていて、3人の年上の子どもたちは床に横たわって死んでいました。夫は未亡人に食事を差し出しましたが、未亡人は「この世の食べ物はもう必要ありません。神はもうすでに3人の子供たちの飢えを受け入れてくださいました。同じように私たちの願いも聞き入れてくだるでしょう。」と答えました。

かろうじてそうつぶやいた瞬間、2人の子供たちは最期の息を引き取り、それからすぐにその未亡人も悲しみのあまり息絶えてしまいました。