スペイン警察は、2015年にマドリードで盗まれたフランシス・ベーコンの5点の絵画のうち3点を見つけたと発表した。盗まれた5点の絵画は合わせて2900万ドルの価値があるという。

被害者はベーコン最後の恋人とされるカペッロ氏

絵画が盗まれたのは2015年7月のことで、フランシス・ベーコンの友人であるホセ・カペッロ氏のマドリードにある自宅に保管されていたものだ。

カペッロ氏は、フランシス・ベーコンにとって最後の恋人で、35歳の時に78歳のベーコンとパーティーで出会い、1992年にベーコンが82歳で亡くなるまでの4年間を共に過ごしたとされる。

その際に、ベーコンの多くの作品を相続している。盗難事件では絵画の他にも、宝石類や、コインのコレクションなど貴重品の入った金庫も盗まれていた。事件発生時、カペッロ氏はロンドンにいた。

事件のすぐ後には、スペイン以外にも広がる国際的な捜査も行われたが、短期間で打ち切られている。

盗難作品さばききれず

スペイン警察は、ロンドンの盗難美術品の追跡を専門とする個人企業からの情報により、3点の作品が発見されたと発表した。

会社名は非公表だが、匿名の人物が盗まれた5作品の1つの写真画像とともに、その作品が盗難品リストにないか確認をするためメールでコンタクトを取って来たという。

この企業は、添付画像の1つに、カンバス裏にあるフランシス・ベーコンのサインが認められたため、スペイン警察に画像を転送したという。

スペイン警察は、画像から使われたカメラを特定し、それを貸し出した会社を割り出し、最終的にカメラの借主である盗難作品の写真を撮った人物を発見した。この事件では、現在のところ10人の逮捕者が出ている。

2016年5月までに写真を撮った人物は、もう1人の犯人とともに逮捕され、その後、他の5人がマドリードにある美術品ディーラーに連絡を取っていることが判り、逮捕に至った。

また今年の1月には、ディーラー側からコンタクトを取り、盗難品を売ろうとしてきた3人が逮捕されている。この3人は、逮捕時に金庫を開けるためのマニュアル本や、武器、金属を切断するための酸素燃料シリンダーを所持していたという。

窃盗団メンバーが絵画を売ろうとしていたディーラーは、ベーコン作品の画像をロンドンにある盗難美術品追跡会社に送った匿名の人物であった。

スペイン警察は、見つかった作品の名前や、発見の経緯などの詳細は明らかにしていない。また、5作品のうち残りの2作品も見つかっておらず、捜査は続行中である。

フランシス・ベーコンとは

フランシス・ベーコンは、ダブリン生まれのイギリス人画家で、偉大な近代芸術家の一人とされている。超現実主義であり、生々しい彼の作品の人気は世界的にも高い人気を誇る。

2013年にニューヨークで開催されたクリスティーズによるオークションでは、《ルシアン・フロイドの3習作》が1億4240万ドルという当時の最高額で落札された。

また、ベーコンはスペイン・マドリードに多くの友人がおり、この地に作品も残している。盗難被害に遭ったカペッロ氏も、モデルとして1987年の肖像画や1991年の三部作などで描かれている。

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