今秋、20世紀初めの代表的画家モディリアーニの回顧展がロンドンのテートモダンで開かれる。展覧会は、VRでモディリアーニの生きた時代のパリの街を体験できるとあって早くも話題を呼んでいる。

20世紀のパリにタイムスリップ

VR(バーチャルリアリティ)とは仮想現実のことで、ヘッドセットを身につけた観客は異次元の世界へ導かれたような感覚を楽しめる。VRの中では、360°どこをみても映像が広がるので、来場者はまるで20世紀初期のパリにタイムスリップしたかのような感覚になるだろう。今回のテートモダンでのVRとアートの融合は、台湾の多機能電話メーカーHTC Viveの協力で実現した。

テートモダンの学芸員ナンシー・アイルソンは「VRが芸術から観客を遠ざけるのではなく、より理解を深める手助けになるだろう。VRの利用により、展覧会の中でパリの街にいるかのように身近に感じてほしい」と語っている。

またテートモダンのディレクター、フランシス・モリスは「私たちはHTC Viveと共催することで来場者に新しく興奮するデジタルの経験をもたらすのに興奮している。私たちは絶えず創造的な新たな境地を生み出すことの可能性を考える。そして新しい技術を通して、いまも愛されるモディリアーニへの深い理解と新鮮な感覚を来場者に与える素晴らしい機会になると思う」と、今回の新たな試みを評価している。

モディリアーニの未公開作品も

今回の展覧会では、肖像画や彫刻をはじめとして、英国では未展示の裸婦画を含む100点以上のモディリアーニ作品が展示される予定だ。モディリアーニは意欲的な裸婦画への取り組みによってその名を残した。今回の展覧会では、生前唯一の個展で当時の人々に賛否両論を呼び起こした10点の裸婦画も展示される。

モディリアーニは彼の芸術人生で唯一の個展を1917年ベルト・ヴァイル画廊で開催したが、裸婦画を出展したのが元で、警察が踏み込む騒ぎとなった。結局、裸婦作品は1日で撤去するはめになった。

学芸員のアイルソンは、「絵の前から対象物が飛び出してきそうに思うほど構成が大胆で強烈な印象を与える作品の数々が、彼のキャリアの重要な時期に描かれた」と語っている。

1884年にトスカーナ地方のリヴォルノで生まれたモディリアーニはいまもなお20世紀の代表的画家の1人だ。1906年にパリに移住してアトリエ活動を開始すると、パブロ・ピカソやジャン・コクトー含むモンマルトルの画家たちに出会い、影響を受ける。1920年に結核により35歳の若さで亡くなった。

テートモダンでおこなわれる本回顧展は、2017年11月23日から2018年4月2日まで開催される。

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