作品概要

剛毅》は、画家のサンドロ・ボッティチェリによって描かれた作品。制作年は1470年から1470年で、フィレンツェ ウフィッツィ美術館に所蔵されている。

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1470年頃、まだ20代半ばのサンドロ・ボッティチェッリが描いた「剛毅」は、フィレンツェの商業裁判所が1469年8月18日にピエロ・デル・ポッライオーロに発注した「七元徳」の一枚である。「七元徳」は、キリスト教会における基本的な「徳」を指している。「知恵」「剛毅」「節制」「正義」「信仰」「希望」「愛」のことであり、当時は擬人化して女性の姿で描かれることが多かった。シニョーリア宮殿の「謁見の間」に飾られていた七枚のうち、「剛毅」はまだ若いボッティチェッリが制作した。

ボッティチェッリは行政官であったトンマーゾ・ソデリーニや、メディチ家の当主ピエロ・イル・ゴットーゾ・デ・メディチから助言を受けてこの作品を完成させたと伝えられている。1470年8月に完成した「剛毅」は大評判を呼び、ボッティチェッリに2枚目の「徳」を制作させようという動きもあったようだが、ポッライオーロの反対でそれは適わなかった。ほかの6枚は、すべてピエロ・デル・ポッライオーロが制作している。

「剛毅」として描かれた女性は、強い決断力を感じさせる表情で手には指揮棒を持っている。大理石でできた玉座に座している姿は、彫刻家ヴェロッキオの影響が感じられる。当時のボッティチェッリの作風は、師であったフィリッポ・リッピの影響が残っているが、それでも女性の輪郭を描く線は明らかにポッライオーロとは様相を異にしている。女性の表情には、ボッティチェッリの作品の特徴である憂いが浮かんでいるが女性の立ち居振舞には「徳」らしい風格がにじみ出ており、モニュメント風のポーズも先達であるポッライオーロをしのぐ出来である。

また、女性らしい衣服の線とボッティチェッリの独創で描かれたと推測される鎧との対象も、20代のボッティチェッリの技量がいかんなく発揮されている。ポッライオーロが描いた玉座に比べて、ボッティチェッリの描いた玉座と武具は、彼が金銀細工の分野でも卓越した知識を持っていたことを示している。

《剛毅》の基本情報

  • 画家サンドロ・ボッティチェリ
  • 作品名剛毅
  • 制作年1470年-1470年
  • 製作国イタリア
  • 所蔵フィレンツェ ウフィッツィ美術館 (イタリア)
  • 種類テンペラ画
  • 高さ167cm
  • 横幅87cm
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