作品概要

モーセの試練》は、画家のサンドロ・ボッティチェリによって描かれた作品。制作年は1481年から1481年で、ヴァティカン システィーナ礼拝堂に所蔵されている。

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フィレンツェで活躍していたサンドロ・ボッティチェッリは、1481年から1482年にかけてヴァティカンに招聘され、システィーナ礼拝堂内のフレスコ画を制作することになる。当時の法王シクトゥス四世はの求めに応じて、彼とは政治的に対立していたフィレンツェの実力者ロレンツォ・イル・マニーフィコ・デ・メディチが、当時フィレンツェで高名であった芸術家を自ら選んだと伝えられている。ボッティチェッリノ隣では、ペルジーノがフレスコ画を制作していた。

旧約聖書に登場するモーセの七つの試練が、一つの作品の中に描かれている。「同胞のためにイスラエル人を虐待したエジプト人を殺す」「砂漠に逃亡する」「羊飼いたちを追放する」「得手炉の娘の羊に井戸から汲んだ水を飲ませる」「神の声を聞いてモーセが靴を脱ぐ」「神の前にひざまずく」「イスラエルの民を率いてエジプトを脱出する」というそれぞれのシーンに、オレンジと緑の衣装のモーセが登場している。

当時、システィーナ礼拝堂内でフレスコ画を描いていた芸術家たちは同じようなスタイルで作品を描くことで合致していたと言われている。そのため、背景の自然の表現などは、フレスコ画全体で共通性が多い。また、当時の礼拝堂内の灯はろうそくが頼りであったために、作品にメリハリを与えるために金色を多く使用したともいわれている。また、主役であるモーセが一目でわかるよう、明るいオレンジと緑の衣装で描かれた。

しかし、一つの絵画に7つのシーンを詰め込むという作業や、ミケランジェロも難儀したというシスティーナ礼拝堂内での苛酷な環境のために、寸法のずれがあるのは間違いがない。

画面左下で、モーセがイスラエル人を率いてエジプトから逃亡するシーンの最後尾で頭に籠を抱えている若い女性は、ボッティチェッリが「春」や「ヴィーナスの誕生」でモデルにしたといわれるシモネッタ・ヴェスプッチの肖像と主張する学者は多い。

《モーセの試練》の基本情報

  • 画家サンドロ・ボッティチェリ
  • 作品名モーセの試練
  • 制作年1481年-1482年
  • 製作国イタリア
  • 所蔵ヴァティカン システィーナ礼拝堂 (ヴァティカン)
  • 種類フレスコ画
  • 高さ348,5cm
  • 横幅558cm
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