作品概要

勝利の聖母》は、画家のアンドレア・マンテーニャによって描かれた作品。制作年は1496年から1496年で、パリ ルーヴル美術館に所蔵されている。

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60才を超えていたアンドレア・マンテーニャが、マントヴァ侯爵フランチェスコ・ゴンザーガの対フランス戦の勝利を記念して描いた作品である。侯爵が、勝利の感謝のためにマンテーニャに作品を依頼している。この話にはさらにエピソードがあり、フランチェスコ侯爵が出征中に、マントヴァに住むユダヤ人の銀行家ダニエーレ・ダ・ノルサという男が、郊外に購入した家の玄関に飾られていた聖母を排除し自分の家の紋章を飾るという事件があった。枢機卿シジスモンド・ゴンザーガは教会への不敬としてダ・ノルサを逮捕、対フランス戦で勝利を収めたフランチェスコ侯爵はダ・ノルサに改めて聖母に捧げる礼拝堂の建築を命じ、自らがマンテーニャに発注した「勝利の聖母」もここに飾ったという。

「勝利の聖母」は、ナポレオンによってフランスに持ち去られ、現在もルーヴル美術館の所蔵となっている。

「勝利の聖母」は、フランチェスコ・ゴンザーガが聖母にひざまづき勝利を感謝するという構図となっている。また、侯爵の弟シジスモンド枢機卿の強い希望で、キリスト教会のさまざまな事象がシンボル化して描かれている。

聖母マリアの膝に立つ幼子イエスは、「受難」の象徴である赤い花を手に持っている。聖母マリアは、穏やかな微笑みを浮かべて侯爵を祝福するようなジェスチャーをしている。聖母の足下には、幼い「洗礼者ヨハネ」が描かれている。洗礼者ヨハネの傍らには、彼の老いた母エリザベスがいるが、エリザベスはフランチェスコ侯爵の妻イザベッラ・デステのの守護聖人であった。

その後ろにいる武装した聖人は、推測では「大天使ミカエル」、フランチェスコ侯爵の後ろに立つ聖人が「聖ゲオルギウス」、その後ろに「聖アンドレア」、赤い鎧の聖人がイエスの脇腹を刺したといわれる「聖ロンギヌス」である。

これらの人物や聖人の背景に描かれた後陣は、草木、花、果物、鳥で構成されている。そして、聖母子の上部には巨大な珊瑚が吊られている。これもまた、イエスの血の象徴であり後々の「受難」を表象している。

また、背後に描かれたさまざまな鳥のなかには、当時のヨーロッパに輸入されていたかどうか確証がない「オウム」のような鳥も描かれており、生物学の分野でも注目される作品である。

《勝利の聖母》の基本情報

  • 画家アンドレア・マンテーニャ
  • 作品名勝利の聖母
  • 制作年1496年-1496年
  • 製作国イタリア
  • 所蔵パリ ルーヴル美術館 (フランス)
  • 種類テンペラ画
  • 高さ280cm
  • 横幅166cm
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