作品概要

パリスの審判》は、画家のルーカス・クラナハによって描かれた作品。制作年は?年から年で、メトロポリタン美術館に所蔵されている。

ルカス・クラナハ(父)のヴィッテンベルクの工房で大量に制作される神話画の中で最も人気の高かったテーマの一つはウェヌス(ヴィーナス)像であり、そしてもう一つがこの「パリスの審判」であった。これは『イリアス』などのギリシャ神話において語られるトロイア戦争の発端となるエピソードである。

あるときゼウスの妻で天界の女王ヘラ、知恵の女神アテナ、愛と美の女神アフロディテは3人のうちだれが最も美しいかで争いになる。彼女らはトロイア王の息子パリスに判定させることにし、それぞれ自分を選んだ場合の褒美を申し出る。ヘラはヨーロッパとアジアの王になれると言い、アテナは戦争における知恵と技術を与えると約束し、アフロディテはこの世で最も美しい女性がパリスの妻になるようにすると言った。

パリスはアフロディテを選んだが、その最も美しい女性とはスパルタ王メラネオスの妻ヘレネであったのだった。妻を奪われたメラネオスは怒ってトロイアに侵攻し、全ギリシアを巻き込む戦争に発展するのである。

画面左の木の下に、当世風の騎士の姿をしたパリスが座っている。伝令の神であるヘルメスが女神らにパリスを紹介しており、3人の女神は三者三様のポーズで立っており、クラナハが物語の内容よりも女性の裸体をいかに魅力的に表現するかに注力していたことがみてとれる。誰がどの女神かは判然としないが、赤い帽子をかぶり薄いヴェールを効果的に身につけた中央の女神が勝利を得たウェヌスである可能性が高い。彼女は息子であり人を恋に落ちさせるクピドが宙を飛んでいるのを指差している。

クラナハの描く裸体は他のヌードを描いた作品と同様イタリアの影響をあまり受けていない北方の好みにかなったスタイルである。彼女らの肌はぬめるようになめらかで、肢体は蛇のようにうねっている。

《パリスの審判》の基本情報

  • 制作者:ルーカス・クラナハ
  • 作品名:パリスの審判
  • 制作年:不明-1528?年
  • 製作国:ドイツ
  • 所蔵:メトロポリタン美術館 (アメリカ)
  • 種類:板、油彩
  • 高さ:101.9cm
  • 横幅:71.1cm
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