作品概要

キリスト降誕》は、画家のルーカス・クラナハによって描かれた作品。制作年は1515年から1520年で、アルテ・マイスターに所蔵されている。

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この作品はルカス・クラナハ(父)による油彩画である。画面にはキリストの降誕図が描かれている。クラナハは2種類の情報源に基づいて描かれている。一つは『新約聖書』「ルカによる福音書」で、そこではマリアとヨセフがイェルサレムに向かう途中、ベツレヘムでキリストが生まれ、近くにいた羊飼いが天使のお告げを受けて生まれたばかりの救世主を礼拝しにやってくる場面が語られる。もう一つはスウェーデンの14世紀の聖女ビルイッタが受けた神秘的な啓示をまとめた書物であり、それによればキリストが生まれた夜、キリストの体から光が溢れて、誰も明かりを持っていなかったのにあたりは明るく輝いたという。

文献上はキリストが生まれたのは夜だとされているが、芸術作品では場面が夜に設定されることは従来あまりなかった。クラナハは夜景という難しい表現に果敢に挑んで自分の芸術的才能を示している。画面の右下では生まれたばかりのキリストが輝きながら横たわっており、あどけない顔で礼拝する聖母マリアを見上げている。

聖母マリアもまた、頭部から光を発している。キリストと同じように嬰児の姿をした天使が彼を守るように囲んでいる。その右にいる牛とロバはキリストが馬小屋で生まれたことを示唆している。マリアの右にはヨセフが立っていて、彼はろうそくを持っているが、その光はキリストの発する強い光に負けて右側へ逸れていく。ヨセフの右では3人の羊飼いが壁の間からキリストを覗き込んでいる。画面左の遠景には羊飼いの前にお告げの天使が現れる場面が異時同図的に描かれている。
作品の構図の大部分はマルティン・ショーンガウアーの同じテーマの作品から引用されているが、光の表現にクラナハの特色がある。

《キリスト降誕》の基本情報

  • 画家ルーカス・クラナハ
  • 作品名キリスト降誕
  • 制作年1515年-1520年
  • 製作国ドイツ
  • 所蔵アルテ・マイスター (ドイツ)
  • 種類板、油彩
  • 高さ32cm
  • 横幅24.5cm
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