作品概要

聖アントニウスの誘惑》は、画家のルーカス・クラナハによって描かれた作品。制作年は?年から年で、メトロポリタン美術館に所蔵されている。

この版画は16世紀のドイツの画家ルカス・クラナハ(父)によて制作された。描かれているのは聖アントニウスである。聖アントニウスはエジプトのコマで3世紀に生まれ、砂漠に隠遁して苦行に身を捧げた。彼の周りには志を共にする人々が集まり最初の修道院が形成されたという。彼は砂漠で修行している最中に悪魔に何度も誘惑された。悪魔は最初女性や金銭を差し出して彼を堕落させようとしたが、応じなかったので最終的に暴力に訴えた。

この版画では聖人が悪魔に痛めつけられる場面が描かれている。このような「聖アントニウスの誘惑」のテーマはこの時代非常に人気があった。なぜなら、この時代の重要な修道会として「聖アントニウス修道会」があり、この団体は病気の治療を使命として全ヨーロッパで病院を経営していたので、聖アントニウスは一般民衆にも民衆に親しまれていたからである。

画面右下には聖人が隠遁生活を送っている洞穴が見え、その奥には風景が広がっている。聖人は数多くの悪魔によって洞穴から空中へと無理やり吊り上げられている。右上の木の枝にはクラナハが仕えたザクセン選帝侯フリードリヒ賢公の紋章がある。

この版画は約30年早く制作されたマルティン・ショーンガウアー(1472-1553)による同じテーマの版画を下敷きにしている。ショーンガウアーが聖人を正面向きで描きシンメトリーな構図を採用したのに対し、クラナハのアントニウスは空中で横倒しになり、有象無象の悪魔たちと融合してしまっているかのように見える。そのためこの版画ではショーンガウアーの作品とは異なり厳しい修行生活を送る隠遁聖人アントニウスの威厳よりはむしろ悪魔に責め苛まれる彼の苦痛に重点が置かれている。

《聖アントニウスの誘惑》の基本情報

  • 制作者:ルーカス・クラナハ
  • 作品名:聖アントニウスの誘惑
  • 制作年:不明-1506年
  • 製作国:ドイツ
  • 所蔵:メトロポリタン美術館 (アメリカ)
  • 種類:木版画
  • 高さ:40.8cm
  • 横幅:28cm
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