作品概要

子供たちを祝福するキリスト》は、画家のルーカス・クラナハによって描かれた作品。制作年は1535年から1535年で、シュテーデル美術館に所蔵されている。

この作品はルカス・クラナハ(父)による油彩画である。『新約聖書』の各福音書によれば、信者らがキリストに祝福してもらおうと子供たちを彼のもとに連れてきたとき、弟子たちはキリストの活動を邪魔してはいけないと彼らを追い払おうとした。

しかしキリストはそれを叱って次のように言った。「子供たちをわたしのところに来させなさい。妨げてはならない。神の国はこのような者たちのものである」(マルコによる福音書10:13-16)。このテーマは宗教改革以前には芸術作品の主題となることがなかったが、ルターの親友でありその活動と深く関わっていたクラナハはこのテーマの作品を1530年ごろから何度も制作している。

それには当時の釈迦的状況が深く関係している。その当時、プロテスタントの一派が再洗礼の必要性を主張していた。それまでのキリスト教とは生まれてすぐ両親によって洗礼を受けさせられていたが、幼児は自分の意思を持たないので成人して真の信仰が芽生えたのち、再び洗礼を受けるべきであるという考えである。ルターはその考えを否定し、あくまで幼児洗礼の重要性を説いた。クラナハはルターの親友として、またルター派の信奉者として、子供の信仰心の規範をしめすためにこのテーマを描いた。

画面やや左にキリストがいて、子供を連れた母親が彼を取り囲んでいる。左隅にはキリストの弟子たちがやや不満そうな顔をしているが、キリストはそれにかまわず右手で差し出された子供に触れつつ、左手では一人の子を抱き上げ優しく接吻している。彼の背中からは羨ましそうな顔で別の子が顔を出し、後ろからは別の母親が次はこの子を、というように服を引っ張っている。

この絵が人気を博士、多くのコピーが制作されたのは、ルター派の主張の普及という目的のためだけではなかっただろう。キリストと母親たち、子供らの間に交わされる信頼と愛情はクラナハが描写した最も美しいものの一つである。

《子供たちを祝福するキリスト》の基本情報

  • 制作者:ルーカス・クラナハ
  • 作品名:子供たちを祝福するキリスト
  • 制作年:1535年-1540年
  • 製作国:ドイツ
  • 所蔵:シュテーデル美術館 (ドイツ)
  • 種類:板、油彩
  • 高さ:83.8cm
  • 横幅:121.5cm
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