作品概要

ザクセン選帝侯ヨハン不変公の肖像》は、画家のルーカス・クラナハによって描かれた作品。制作年は1532年から1532年で、メトロポリタン美術館に所蔵されている。

この作品はルカス・クラナハ(父)による2枚一組の肖像画のうち右側を占めるパネルである。描かれているのはザクセン選帝侯ヨハン、通称不変公(在位1525-1532年)で、ザクセン選帝侯エルンストとその妻エリザベトの間に生まれた。左側のパネルに描かれたフリードリヒ3世(賢公)の弟である。兄フリードリヒが1525年に死去すると、生涯正妻をもたず、従って嫡出子のいなかった兄を継いでザクセン選帝侯に即位した。

彼は兄の行ったルター派への支持を継続し、ザクセン公国の国教をカトリックからルター派に変更した。そのため彼は「不変公」と呼ばれている。彼は1532年に死去し、息子ヨハン・フリードリヒ(豪胆公、在位1532-1547年)が選帝侯位を継承した。

ヨハンはここで右パネルの兄と同じく水色の背景の中でその高い地位を示す白いシャツ、黒い上着、広い毛皮の襟のついたマント、黒いつばのない帽子を身につけている。二人は二連肖像画の伝統に従ってお互いに向かい合うようにフリードリヒは右に、ヨハンは左に体を向けている。画面下部に名前と賛辞が印刷された紙が貼り付けられている点も同じである。

兄フリードリヒの肖像画とともに、この肖像画はヨハンの息子ヨハン・フリードリヒが注文した60点の肖像画シリーズを構成していた。ヨハン・フリードリヒはこのシリーズを自分の政治的プロパガンダのために制作させた。彼は当時ルター派を支持するドイツ諸侯によるシュマルカルデン同盟の盟主となって神聖ローマ皇帝と対立を深めていた。彼はこれらの肖像画を同盟者に贈り、宗教改革の発端からルターを支持し続けた自らの叔父と父を思い出させることによって同盟を鼓舞しようとしたのである。

《ザクセン選帝侯ヨハン不変公の肖像》の基本情報

  • 制作者:ルーカス・クラナハ
  • 作品名:ザクセン選帝侯ヨハン不変公の肖像
  • 制作年:1532年-1533年
  • 製作国:ドイツ
  • 所蔵:メトロポリタン美術館 (アメリカ)
  • 種類:板、紙、油彩
  • 高さ:20.3cm
  • 横幅:14.3cm
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