作品概要

聖家族の三連画(トルガウ祭壇画)》は、画家のルーカス・クラナハによって描かれた作品。制作年は?年から年で、シュテーデル美術館に所蔵されている。

ルカス・クラナハ(父)による『聖家族の三連画』はザクセン選帝侯フリードリヒ賢公によって注文された油彩画である。中央パネルと、それに取り付けられた開閉可能な左右のパネルから構成されている。

描かれているのはキリストとその親族である。伝説によれば聖母マリアの母聖アンナ(キリストの祖母)は最初の夫でマリアの父であるヨアキムの死後2人の男性、すなわちクレオパとサロメと再婚したという。彼らは中央パネル後景のバルコニーにいる。中央にはその聖アンナ、聖母マリア、キリストがいて、祖母、娘、孫という親密な家族の一場面を形成している。マリアの後ろにはマリアの夫ヨセフがいる。

左右のパネルには聖アンナが再婚後に生んだ二人の娘がいる。彼女らもマリアという名であるが、左パネルにいるのがマリア・クレオパといい、その夫アルファイと共に描かれてている。右パネルにいるのはマリア・サロメと呼ばれるもう一人の聖母マリアの異父姉妹で、夫ゼベダイと共に描かれている。彼女らの子供たちが全景で生き生きと遊んでいる。彼らは伝説ではのちにキリストの十二使徒である福音書記者ヨハネ、大ヤコブ、小ヤコブ、ヨセフ、シモン、ユダ・タダイである。

この絵は単なるキリストの親族を描いた絵というわけではない。そこには重要な政治的意味が含まれている。左のパネルに描かれたマリア・クレオパの夫アルファイは注文者であるザクセン選帝侯フリードリヒ賢公の肖像となっていて、右パネルのマリア・サロメの夫ゼベダイは同じく注文者でフリードリヒ賢公の弟ヨハンの肖像になっている。同様に中央パネルの奥のバルコニーにいる左の二人の人物、すなわち聖アンナの再婚相手クレオパは神聖ローマ皇帝マキシミリアン1世に、もう一人に再婚相手サロメはマキシミリアンの政治顧問シクストゥス・エルハーフェンの顔をしている。これによってザクセン選帝侯の神聖ローマ皇帝への忠誠と親密さが示されているのである。

《聖家族の三連画(トルガウ祭壇画)》の基本情報

  • 制作者:ルーカス・クラナハ
  • 作品名:聖家族の三連画(トルガウ祭壇画)
  • 制作年:不明-1509年
  • 製作国:ドイツ
  • 所蔵:シュテーデル美術館 (ドイツ)
  • 種類:板、油彩
  • 高さ:121.1cm
  • 横幅:100.4cm
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