作品概要

荒野の聖ヒエロニムス》は、画家のルーカス・クラナハによって描かれた作品。制作年は?年から年で、美術史美術館に所蔵されている。

この作品はルカス・クラナハ(父)による油彩画である。描かれているのは荒野で修行する聖ヒエロニムスの姿である。

聖ヒエロニムスは347年にダルマティア(クロアチアの一地方)で生まれ、哲学と修辞学を研究したのちキリスト教神学に身を捧げる決心をした。彼の最も偉大な功績はギリシャ語聖書のラテン語訳であった。彼が教皇ダマスス1世の庇護のもと翻訳を行っていたが、ダマスス1世の死後ローマを去って荒野で厳しい修行を行った。その後ベツレヘムで聖書の翻訳を完成した。翻訳した聖書は「ウルガータ訳聖書」と呼ばれ、現代に至るまでカトリック教会が使用する聖書の基礎となっている。また、ダマスス1世を補佐したことから最初の枢機卿と考えられた(ただしこの時代に枢機卿の位はまだ存在しなかったためあくまで伝説である)。

クラナハのこの油彩画ではヒエロニムスがエジプトの荒野で修行している場面が描かれている。足元には枢機卿が着用する赤い帽子と上着が打ち捨てられ、彼は上半身裸のまま十字架の前に跪いている。

この作品はルカス・クラナハ(父)の作品のうち年代がわかっている最初の作品である。その当時彼はウィーンにいて人文学者コンラート・ケルティスを中心とした教養ある人々のサークルの中で活動していた。従ってこの絵はこのサークルのメンバーである人文主義者、ヨハンネス・フクスマーゲンか、あるいはのちにクラナハに肖像画を描いてもらったヨハンネス・クスピニアンであると推測されている。

背景の複雑な形状の木々はアルブレヒト・アルトドルファーらドナウ派の画家を思わせる。ヒエロニムスの解剖学的に正しく描かれた肉体はのちのクラナハの作品には見られない特徴である。

《荒野の聖ヒエロニムス》の基本情報

  • 制作者:ルーカス・クラナハ
  • 作品名:荒野の聖ヒエロニムス
  • 制作年:不明-1502年
  • 製作国:オーストリア
  • 所蔵:美術史美術館 (オーストリア)
  • 種類:板、油彩、テンペラ
  • 高さ:56cm
  • 横幅:41.5cm
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