作品概要

書斎の聖ヒエロニムス》は、画家のアルブレヒト・デューラーによって描かれた作品。制作年は1514年で、大英博物館に所蔵されている。

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この作品はアルブレヒト・デューラーによる銅版画である。描かれているのは書斎で研究に勤しむ聖ヒエロニムスである。聖ヒエロニムスは347年にダルマティア(クロアチアの一地方)で生まれ、哲学と修辞学を研究したのちキリスト教神学に身を捧げる決心をした。彼の最も偉大な功績はギリシャ語聖書のラテン語訳であった。彼の翻訳した聖書は「ウルガータ訳聖書」と呼ばれ、現代に至るまでカトリックが使用する聖書の基礎となっている。

この版画ではキリスト教徒の生活のうち、活動的というよりはむしろ黙想的な生活に焦点が当てられている。聖人は書見台の前で考えにふけっていて、居心地の良い部屋には丸いガラスを連ねた窓から光が差し込んで彼を照らしている。ヒエロニムスの前には忠実なライオンと犬が体を休めている。窓の桟に置かれている頭蓋骨と聖人の頭の後ろにある砂時計は人生の移ろいやすさを示している。「書斎のヒエロニムス」というテーマをデューラーはすでに若い頃木版にしているが、その作品と比べると彼の驚くべき技量の進歩を感じ取ることができる。天井の木材、動物の毛、窓のガラスなどそれぞれの質感が巧みに白黒の画面で表現されている。

デューラーの『ネーデルラント旅日記』によれば彼はこの版画を他のどの作品よりも頻繁に売ったり贈呈したりしている。このことからこの作品がいかに人気があったかが伺いしれる。

制作年代やサイズの一致からしばしばこの作品は銅版画『メレンコリアI』、『騎士と死と悪魔』とセットであるとみなされるが、デューラー自身はこの作品を『メレンコリアI』とのみ組み合わせることはあったものの、3枚をセットとして扱うことはなかった。

《書斎の聖ヒエロニムス》の基本情報

  • 画家アルブレヒト・デューラー
  • 作品名書斎の聖ヒエロニムス
  • 制作年不明-1514年
  • 製作国ドイツ
  • 所蔵大英博物館 (イギリス)
  • 種類紙、エングレーヴィング
  • 高さ24.8cm
  • 横幅18.9cm
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