作品概要

ハッラーの聖母子》は、画家のアルブレヒト・デューラーによって描かれた作品。制作年は1495年から1499年で、ナショナル・ギャラリーに所蔵されている。

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この作品はアルブレヒト・デューラーによる聖母子を描いた油彩画である。この作品を注文したのはハッラー家、おそらく正確にはヴォルフ・ハッラーであり、彼がウルスラ・コーベルガーと結婚した際に制作されたと思われる。それは画面の左下にハッラー家の、右下にコーベルガー家の紋章が描かれているからである。両家はニュルンベルクの非常に裕福で名誉ある一族であった。
1495年にヴェネチアから帰ってきたばかりのデューラーによるこの聖母子像にはヴェネチア派の画家、とりわけジョバンニ・ベッリーニの影響が見て取れる。それは例えばクローズアップされた聖母の上半身が形作るピラミッド型の堅固な造形や、キリストの筋肉質な体型、そしてカーテンの赤、マリアの衣の青、キリストの足元のクッションの緑という鮮やかな色彩に表れている。そのためこの絵はある時期にはベッリーニ本人の手になるものとさえ考えられていた。しかし窓から見える風景の巧みさや、布や大理石の質感表現の卓越性はデューラーが属する北方芸術の特質である。これらのことから、この聖母子蔵はデューラーがベッリーニの様式を巧みに模倣しつつ描いた作品であると考えられる。デューラーはベッリーニを理想を現実のものにできる優れた画家であるとして深く尊敬していたのである。
このパネルの裏側には同じくデューラーによって『ロトの逃避』が描かれている。『旧約聖書』「創世記」に見える物語で、神の怒りに触れたソドムとゴモラの街から、その街で唯一の義人であったロトとその娘らが逃げてくる場面である。この物語が聖母子像と組み合わされる例は他になく、どのような意味が込められているのかは現在のところ不明である。

《ハッラーの聖母子》の基本情報

  • 画家アルブレヒト・デューラー
  • 作品名ハッラーの聖母子
  • 制作年1495年-1499年
  • 製作国ドイツ
  • 所蔵ナショナル・ギャラリー (アメリカ)
  • 種類板、油彩
  • 高さ52.4cm
  • 横幅42.2cm
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