作品概要

キリスト降誕のための素描》は、画家のレオナルド・ダ・ヴィンチによって描かれた作品。制作年は1480年から1480年で、メトロポリタン美術館に所蔵されている。

レオナルド・ダ・ヴィンチによる『キリスト降誕』はクリスマスの夜キリストがマリアによって生まれた場面を描いたペン素描である。一枚の紙に複数の「キリストの降誕」の場面が様々のバリエーションで描かれている。この魅力的な素描では中央に聖母マリアがいて、彼女は「謙譲の聖母」として描かれている。

「謙譲の聖母」とは、地面に座って自らを低い地位へと謙遜するマリア表現の一形式である。彼女は地面に横たわる幼児キリストを礼拝している。聖母マリアのキリストを守ろうとするかのようにかざされた手や、見る人に向かって正面向きに跪く聖母のポーズははルーヴル美術館やロンドンのナショナル・ギャラリーにある『岩窟の聖母』と同じくレオナルドが早出したテーマである。

特に中央の素描の構図は『岩窟の聖母』と最もよく似ている。しかし、1483年から1485年にかけて少なくともカルトン(原寸大下絵)の段階までは制作が進んでいた『キリスト降誕』の絵とはさらに関係が深かったようだ。この絵は現存せず、同時代の複数のコピーだけが残る。

レオナルドはこの素描で同じテーマの様々な描き方を実験したようだ。上で述べた中央の素描の他に右上には側面観で捉えた聖母マリアと幼児キリストがあり、左上は聖母マリアが右手だけを差し伸べたバージョン、右下には中央の素描を別の角度からとらえたような素描がある。

彼はこの素描で15世紀に一般的だった金属線筆で描いているが、影の部分にはペンとインクを用いてより深いコントラストを生み出している。右下の幾何学的図形はこれらのキリスト降誕図における遠近法が絵を見る人の視点から正しく構成されるようにしようとするレオナルドの努力の表れである。

《キリスト降誕のための素描》の基本情報

  • 制作者:レオナルド・ダ・ヴィンチ
  • 作品名:キリスト降誕のための素描
  • 制作年:1480年-1485年
  • 製作国:不明
  • 所蔵:メトロポリタン美術館 (アメリカ)
  • 種類:紙、銀筆、ペン、インク
  • 高さ:19.3cm
  • 横幅:16.2cm
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