作品概要

家路につく労働者》は、画家のエドヴァルド・ムンクによって描かれた作品。制作年は1913年から1915年で、ムンク美術館に所蔵されている。

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「家路につく労働者」は晩年の作品であり、1913年から1915年に掛けて制作された。晩年は、ノルウェー・クラーゲリョー(テレマルク)、フィヨルド(オスロ)などノルウェーが制作拠点であった。この時期、ムンクは労働者階級を主題とした「労働者シリーズ」に取り組み、作品数は200点を超える。

作品では、遥か彼方から家路を歩き続ける労働者階級の人々が描かれている。キャンバス前方には、長時間重労働によって疲労困憊した労働者が重い足取りで歩き続けている。労働者の表情は、疲労により険しい顏である。一人を除き、全ての労働者らは青色の服を着ている。

キャンバス前方には、濃い赤紫色(バーガンディ)のジャケットを着た、ハンス・イェーゲル(Hans Jaeger)に似た男性が描かれている。イェーゲルはノルウェーの著述家、無政府主義的活動家であったが、ムンクが「家路につく労働者」を制作する数年前、1910年に病死している。

また、躍動感を出す為に、ムンクは人物の輪郭を工夫している。作品全体は、針金のように細い線が絡み合うように描写されている。キャンバス左前方にいる労働者は、両足が膝下から消え入るようであり、道の丸石が透けて見えている。また、キャンバス左上には、中産階級の人々が建物沿いの道を歩いている。ムンクは、中産階級のうち一人を自身として描いているといわれる。遠近法により、労働者階級は大きく、中産階級は小さく描かれている。

ムンクは作品を通して、労働者階級に対する社会的支配を表現している。合わせて、遥か彼方から家路を前身する労働者らは、過去から現在まで、そして現在を越えて未来への進むことを示している。一方、中産階級は後退し、過去へ戻ることを表している。現在、「家路につく労働者」はムンク美術館(ノルウェー・オスロ)にて展示されている。

《家路につく労働者》の基本情報

  • 画家エドヴァルド・ムンク
  • 作品名家路につく労働者
  • 制作年1913年-1915年
  • 製作国ノルウェー
  • 所蔵ムンク美術館 (ノルウェー)
  • 種類油彩
  • 高さ227cm
  • 横幅201cm
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