作品概要

浴女と亀》は、画家のアンリ・マティスによって描かれた作品。制作年は1907年から1908年で、セントルイス美術館に所蔵されている。

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『浴女と亀』は、アンリ・マティスが1907年から1908年にかけて作成した油彩画で、現在はアメリカ・ミズーリ州セントルイスにあるセントルイス美術館に所蔵されている。伝統的形式美を打ち破ったパブロ・ピカソの『アヴィニョンの娘たち』から1年後に本作品を制作した。

1939年ナチス政権下の美術オークションで退廃芸術とされていた作品で、ジョーゼフ・ピューリツァー・ジュニアに当時2,400ドルで落札され、その後同氏が美術館へ寄贈した。ドイツ・エッセンのフォルクヴァンク美術館のコレクションとなる以前のことである。プリッツァー氏は、オークションでの利益がナチス政権へ流失することを承知の上で、作品を焼却処分から守り存続させるため、マティスの息子であるピエール・マティスに購入を急がせた経緯がある。

画面には3人の裸婦が、何の変哲もない緑の浜辺で茶色の亀の周りをぎこちなく取り囲んでいる。互いに無力な存在の亀と女性たちの関心事は、各々自分のことに夢中で視線を交さない。何故亀に餌をやっているのか、何故口に手を入れているのか一切説明がない。簡素且つ抽象的でモニュメンタルな構図は、前年に画家が完成させた小作品『3人の浴女たち』を基に再構築した作品である。

細部の描写は、前作品に登場する帆船・浴女のタオル・地中海の太陽の鮮やかな色彩は、本作品で大地・水・空としてマットな色味の3本の横線に置き換えられている。19世紀末新しい絵画技法を様々な画家たちが模索する中で、マティスは伝統的な三次元ではなく、より単純で生き生きとした複雑なイメージの表現へと変遷を遂げた。

《浴女と亀》の基本情報

  • 画家アンリ・マティス
  • 作品名浴女と亀
  • 制作年1907年-1908年
  • 製作国フランス
  • 所蔵セントルイス美術館 (アメリカ)
  • 種類カンヴァス、油彩
  • 高さ181.6cm
  • 横幅221cm
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