作品概要

ポリフェムスをあざけるユリシーズ》は、画家のウィリアム・ターナーによって描かれた作品。制作年は1827年から1829年で、英国国立美術館に所蔵されている。

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本作品の題材は、ギリシア神話上の戦争であるトロイア戦争の後の出来事である。ユリシーズとその軍勢がトロイア戦争からの帰り、食料を探しに小島に立ち寄ると、突如ポリフェムスと呼ばれる、一つ目のサイクロプスの巨人に遭遇した。ポリフェムスはユリシーズ一行に襲い掛かり、部下の4名を食い殺した。

その夜、ユリシーズは鉄製の楔を火で焼き、それをサイクロプスの一つ目に突き刺した。そして、彼らはこの恐ろしい島を逃れ、船を出航し島を離れた。ターナーはこの伝説上の場面をポリフェムスを山の頂上として描き、まるでユリシーズとその船の前に立ちはだかる高い波のように描き出した。

そして、太陽の神であるアポロ神の配下の馬(トロイの木馬)は、朧げに太陽の上る地平線の光の中に描かれているのである。

本作品に対する構想は、1807年当時にはすでにターナーの中にあったと言われている。このように考えられているのは、残されたスケッチブックに記された日付によるものである。このほか、ターナーは1827年から1828年にかけて、本作品の元となったと思われる別のスケッチを残している。このスケッチは、元々一続きの長いキャンバスに油絵具で描かれた7枚のスケッチであり、ほとんどがローマで1828年に描かれたと考えられている。

スケッチの端には画鋲の穴が開いており、ターナーが長い期間にわたって、例えば仕事中などに、ボードや壁に貼り付けていたことが推察される。これらのスケッチには、クロード・ロランの古典風景画の影響を見て取ることができる。本作は、1829年にロイヤル・アカデミーにて発表されたもので、現在はナショナル・ギャラリーに所蔵されている。

《ポリフェムスをあざけるユリシーズ》の基本情報

  • 画家ウィリアム・ターナー
  • 作品名ポリフェムスをあざけるユリシーズ
  • 制作年1827年-1829年
  • 製作国イギリス・イタリア
  • 所蔵英国国立美術館 (イギリス)
  • 種類油絵
  • 高さ132.7cm
  • 横幅203cm
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