作品概要

キリストの受難の祭壇画》は、画家のハンス・メムリンクによって描かれた作品。制作年は1491年から1491年で、聖アンナ博物館に所蔵されている。

『キリストの受難の祭壇画』はハンス・メムリンクが1491年に描いた油彩の板絵であり、現在はドイツの聖アンナ博物館に所蔵されている。この作品は5枚の板絵のうちの4枚が、残りの板絵の左右に2枚ずつ、二重トビラとなるように連結されている三連祭壇画である。中央の絵と左右の内トビラの内側には新約聖書に記された、イエス・キリストが数々の苦難を受けた末に亡くなってしまったという「キリストの受難」と、「キリストの復活」以降の場面が描かれている。

左の内トビラの内側には「キリストの受難」の主な場面が互いの前後関係に従って配置されており、一つの画面の中で一つの物語が表現されている。始まりは画面左側最上部の自らの最期を予見したイエスが苦悩の中で祈りを捧げている「ゲッセマネの祈り」の場面であり、手前のイエスが自らが張り付けられる十字架をゴルゴダの丘へと運んでいる「十字架を運ぶキリスト」の場面へと続いている。

中央の絵は「キリストの磔刑」と呼ばれ、画面中間上部で十字架に張り付けられているのがイエスである。彼はすでに亡くなっており、ローマ兵ロンギヌスが彼の脇腹を突き、その死を確認している瞬間が描かれている。その左下には、同じマリアという名前を持つ女性が4人おり、倒れかけている聖母マリアと彼女を支えているマリア・サロメ、その奥で祈りを捧げている小ヤコブの母マリア、そしてマグダラのマリアである。右の絵も一つの画面の中で一つの物語が表現されており、最下部の亡くなったイエスが復活して墓の外に現れた「キリストの復活」の場面から始まり、左側奥のイエスが弟子たちに見送られながら昇天している「キリストの昇天」まで続いている。

さらに、左右の内トビラを閉じるとその外側と左右の外トビラの内側が見えるようになり、それぞれの面に1人ずつ描かれた4人の聖人が横一列に並ぶ。そして、左右の外トビラも閉じると左の外側には大天使ガブリエル、右の外側には聖母がグリザイユによって彫像のように描かれ、聖母がガブリエルからイエスを身ごもったことを告げられた「受胎告知」が表現されている。

《キリストの受難の祭壇画》の基本情報

  • 制作者:ハンス・メムリンク
  • 作品名:キリストの受難の祭壇画
  • 制作年:1491年-1491年
  • 製作国:フランドル
  • 所蔵:聖アンナ博物館 (ドイツ)
  • 種類:板絵、油彩
  • 高さ:221.5cm
  • 横幅:不明
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