作品概要

棺架に横たわる聖ボナヴェントゥーラ》は、画家のフランシスコ・デ・スルバランによって描かれた作品。制作年は1629年から1629年で、ルーブル美術館に所蔵されている。

『棺架に横たわる聖ボナヴェントゥーラ』は、聖ボナヴェントゥーラの生涯にまつわる六場面を描くというシリーズの最後を飾るエピソードである。依頼を受けてから完成するまでの期間が短い契約であったにも関わらず、スルバランは、見事に組織された工房のおかげでこの作品を完成させたという。

本作品はスルバランにとって、セヴィリアにおける最初の注文制作の一つで、もともとはその地のフランシスコ会修練所の教会に設置されていた。

作品の背景

精神性に満たされたこの絵の構成は、古風さとカラヴァッジョ的効果との混合体である。

フランシスコ会の総長で枢機卿、そして偉大な神学者でもあった聖ボナベントゥーラは画面中央に安置され、白い典礼用の衣装で正装し、枢機卿の帽子が足元に置かれている。

聖ボナヴェントゥーラは1274年のリヨン第二公会議中に列席中に突然死去した。スルバランのこの作品は、葬儀の場面ではなく、納棺前の聖人の遺骸を、公会議のメンバーやフランシスコ会の会員や世俗の高位者たちが取り巻き、死を悼んでいる場面である。

豪華な衣装のアラゴン王ハイメ1世、教皇グレゴリウス10世、質素な身なりのフランシスコ会修道士たちである。それぞれが様々に悲しみを表現しているが、皆静かで抑制されている。それでも手前に跪く修道士二人が最も感情を露わにしている。

この作品は数少ないスペイン絵画における集団肖像画の1枚である。その素晴らしさにおいて、同じジャンルの2作品、エル・グレコの『オルガス伯の埋葬』(1586)、ベラスケスの『ブレダ開城』(1634)に挑戦する作品ともいえる。

事実、ここにはエル・グレコに類似した点がいくつか見られる。それはいずれの作品も奥が浅く、フリーズしているような人物配置で、しかも画面を斜めに走る人物像の周りに集められているという点である。

また、非常に色彩の鮮やかな装飾模様の部分と黒色の部分がコントラストをなし、それが狭い空間のうちに、様々な深さの面を作り出していることもそうだろう。エル・グレコとの類似性は、偶然とはいえ、スルバランが16世紀末の構図原理を好んで用いるという点を明らかにしているのである。

セヴィリアの教会によって注文された作品

本作品は、セヴィリアのフランシスコ会修練所の教会のために注文された、ボナベントゥーラの生涯を描いた一連の絵のうち最後の1枚である。そのうち4枚がスルバラン、4枚がフランシスコ・デ・エレーラによって描かれ、ルーヴル美術館にはそれらが2枚ずつ所蔵されている。

作品の成功

この作品の成功によってスルバランはセヴィリアに定住することになった。アンダルシア地方の修道院が彼の顧客になり、いくつかの注文を与えた。彼は作品の中で修道生活の美徳を表現し、対抗宗教改革のスポークスマンになった。

彼の様式は基本的には古風な完結さが特徴であったが、一方でリベラのようなカラヴァッジョ的明暗法をも体得していた。この作品では左右対称の古風さと葬礼のシーンのカラヴァッジョ的な強い明暗が深い精神性を作品に与えている。

《棺架に横たわる聖ボナヴェントゥーラ》の基本情報

  • 制作者:フランシスコ・デ・スルバラン
  • 作品名:棺架に横たわる聖ボナヴェントゥーラ
  • 制作年:1629年-1630年
  • 製作国:スペイン
  • 所蔵:ルーブル美術館 (フランス)
  • 種類:カンヴァス、油彩
  • 高さ:250cm
  • 横幅:222cm
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