作品概要

二人の若い貴族のいる無原罪の御宿り》は、画家のフランシスコ・デ・スルバランによって描かれた作品。制作年は1632年から1632年で、カタルーニャ美術館に所蔵されている。

この『二人の若い貴族のいる無原罪の御宿り』は素晴らしい作品であると同時に、奇妙に時代錯誤的な作品であるともいえる。

15、16世紀を通して「無原罪の御宿り」は神秘的な象徴に満ちていたが、17世紀初頭に入ると、象徴的な構図、配置からより生気の通った背景の中に聖母を描くという方法を探しはじめていた。聖母足元にパノラマのような風景描いたり、自然な舞台を象徴するような構図、背景が一般的になりつつあったのである。

しかし、この作品でスルバランは折衷的な解決を採用し、聖母の左右に小天使を配置し、象徴的な「聖マリアの連祷」から引用された文句を刻んだ板を掲げ、雲が形作るニッチの中に象徴を閉じ込め、他の象徴を下部の風景の自然の要素として用いたのである。二人の若い少年が聖母の前の地上に跪き、聖母を見上げ礼拝している。彼らが誰かは不明だが、ある貴族の双子兄弟であろうことは見て取れる。この二人はそれぞれの前の地面に置かれた帽子によって区別することができ、右側の司祭帽が弟であることを示し、世俗の帽子が長男であることを示している。

なぜなら、こうした場合、弟の方がたいてい聖職者となり、兄が家の称号を相続していたからである。彼らの口からは天使祝詞の言葉がまるで中世の作品であるかのように描き出されている。この方法は17世紀には、自然らしさを否定するとしてほとんど見られないものである。この点もこの作品の時代錯誤性を象徴している。

この理由は注文主の指示によるものとも考えられなくもないが、スルバランは同時期に描いた同主題の作品にも類似の構図的な時代錯誤を用いている。この時期のスルバラン絵画の自然主義的な絵画の技法と保守的な構図法というパラドックスを際立たせている作品と言える。

《二人の若い貴族のいる無原罪の御宿り》の基本情報

  • 制作者:フランシスコ・デ・スルバラン
  • 作品名:二人の若い貴族のいる無原罪の御宿り
  • 制作年:1632年-1632年
  • 製作国:スペイン
  • 所蔵:カタルーニャ美術館 (スペイン)
  • 種類:カンヴァス、油彩
  • 高さ:252cm
  • 横幅:168cm
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