作品概要

エレーナ・グリマルディ・カッタネオ伯爵夫人の肖像画》は、画家のアンソニー・ヴァン・ダイクによって描かれた作品。制作年は1623年から1623年で、ナショナルギャラリーに所蔵されている。

『エレーナ・グリマルディ・カッタネオ伯爵夫人の肖像画』は1623年にフランドル派のアンソニー・ヴァン・ダイクが制作した肖像画であり、現在ワシントンのナショナルギャラリーオブアートに所蔵されている。

1620年にヴァン・ダイクは初めて英国へ渡り、そこで英国国王チャールズ1世の肖像画を手がけたが、それほど成功できなかった。そこでイタリア人画家ティツィアーノの鮮やかな色彩の作品を初めて目にし、従来のバロック期のフランドル派の巨匠ルーベンスとは違う、新しいスタイルを開拓していく。

ヴァン・ダイクは1621年にイタリアへ移り、6年間イタリアの巨匠達の作品様式を学ぶことで、その後の肖像画家としての成功のキャリアを積んでいくこととなる。ヴァン・ダイクはまたローマにたむろしているようなボヘミアン風の北のアーティストとは一線を画し、気品に満ちた貴族のような振る舞いをしていた。この気高さを象徴するかのように、高価なシルクやブローチや羽のついた帽子、胸元にはゴールドのチェーンをあしらい、また使徒をつれて歩いていた。

この頃イタリアのジェノヴァを拠点にし制作活動をしつつ、イタリア国内の多くの街を旅行した。特にシチリアのパレルモが気に入り、多くの時間を割いて滞在した。この時期に描いたジェノヴァの貴族の肖像画においてその繁栄を象徴した等身大の姿を描いている。人物は背が高く、優雅な姿でみるものを圧倒する。この時期、多くの肖像画を描く機会を持ち、おびただしい成功を得ることとなる。

「ヴァン・ダイクは私たちの街の紳士と淑女を描き、彼らはまるで生きているような気品の魂という空気感をまとっている」と後にジェノヴァの画家であり建築家のラファエレ・ソプラニはヴァン・ダイクのジェノアで制作された作品について語っている。

作品のなかではアフリカ系の使徒が赤い傘を開き、ニコラ・カッタネオ伯爵の妻エレーナ・グリマルディに同行している様子を描いている。またこの作品はヴァン・ダイクの師匠であるルーベンスのジェノヴァの淑女を描いた作品『ブリジダ・スピノーラ・ドリア伯爵夫人(Marchesa Brigida Spinola Doria)』に似ており、特に構成や赤の使い方、建築物に共通点が見られる。

《エレーナ・グリマルディ・カッタネオ伯爵夫人の肖像画》の基本情報

  • 制作者:アンソニー・ヴァン・ダイク
  • 作品名:エレーナ・グリマルディ・カッタネオ伯爵夫人の肖像画
  • 制作年:1623年-1623年
  • 製作国:イタリア
  • 所蔵:ナショナルギャラリー (アメリカ)
  • 種類:油彩
  • 高さ:242.9cm
  • 横幅:138.5cm
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