作品概要

ヴェラ・イコン(イエスキリストの肖像画)》は、画家のヤン・ファン・エイクによって描かれた作品。制作年は1439年から1439年で、アルテ・ピナコテークに所蔵されている。

ヴェラ・イコン(またはキリストの頭)とは初期オランダ画家ジャン・ファン・エイクの紛失したパネルに描かれた油絵の肖像画である。おそらくは二連画の片方であったとされている。

多数のコピーが現存しているが、オリジナルは当時彼のワークショップからの三点のコピーから知られている。一番最初のものと最後のものはそれぞれ1438年、1440年にブルージュで、もう一点は1439年にミュンヘンで完成された。これらのコピーからそのスケールの小ささと画家の人相学へのこだわりがうかがえる。どこで誰の依頼で制作されたかはわかっていない。

作者はまれなことに伝統的で理想的なキリストのストレートなイメージを描いている。感情的ではあるが、キリストは正面を向くという慣例的な見せ方をされている。よくタイトルとして使われるヴェラ・イコンとは東洋の伝統的な聖像等の肩から上の肖像のことである。現存しているコピーにはどれもファン・エイクの特徴がみられる。

ベルリンのものには”Johes de eyck me fecit et applevit anno 1438 3I Januarij”、 ブルージュのものには”Johes de eyck . . annov 1438 3I Januarij”と記載されている。14世紀と15世紀初期に制作されたコピーでは身体的な正確さとフレームの装飾に差がある。ファン・エイクの多作品とおなじようにパネルのフレームには幻想的な装飾が彫られている。どのコピーも背景はダークグリーンで構成されており、キリストはクリムゾンのローブに暗めのロングヘアーである。

ガウンの首元にかかれいる”REX REGNUM”というフレーズはヘント祭壇画で神が着ている服にもかかれている。キリストの描写については書物より絵画からきており、”人々に愛情と恐怖とともに尊敬されるような尊厳ある表情、未熟のヘーゼルナッツの色の髪、ナザリアンの髪型のとおり髪を真ん中でわけており、髪と同じ色の髭を顔周りに生やしている”ことから、ファン・エイクはサクソニーのルドルフの14世紀頃の作品”キリストの人生”をもとに描いたのではないかと考えられている。

茨の冠と頭から胸に流れる血が感情的で伝統さに少し欠けるが、ファン・エイクの絵を参考にした、ぺトルス・クリストゥスのキリストの頭(1444?45)がニューヨークのメトロポリタン美術館にある。

ファン・エイク仕様の悲しげな表情と深い色使いは聖ウルスラ伝説の巨匠と呼ばれるブルージュ画家のベロニカのベールという肖像画のいくつかから応用されたものである。作品は年代のわりに比較的状態がよく、髪のあたりに修正された跡があるものの、傷などはついていない。

《ヴェラ・イコン(イエスキリストの肖像画)》の基本情報

  • 制作者:ヤン・ファン・エイク
  • 作品名:ヴェラ・イコン(イエスキリストの肖像画)
  • 制作年:1439年-1439年
  • 製作国:不明
  • 所蔵:アルテ・ピナコテーク (ドイツ)
  • 種類:不明
  • 高さ:50cm
  • 横幅:37cm
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