作品概要

受胎告知》は、画家のヤン・ファン・エイクによって描かれた作品。制作年は1434年から1434年で、ティッセン=ボルネミッサ美術館に所蔵されている。

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『受胎告知』(別名『受胎告知の二連祭壇画)は、グリサイユ画法で板に描かれた油彩画である。パネルの形式は二連祭壇画であり現在は、マドリードにあるティッセン=ボルネミッサ美術館のコレクションとして保管されている。

オリジナル作品はパネルに描かれたものであったが、後キャンバスに移植された。三部連作の左側を構成する作品ではないかと考えられており、残りのパネルは1817年以前に行方不明となっている。

そのデザインと図法は1432年に完成したファン・エイクの初期の作品であるヘントの祭壇画の表面(外装)に酷似している。しかし、その相対的な規模の小ささから、大衆の儀式よりも私的崇拝のために制作されたとわかる。

パネル画は左側に大天使ガブリエル、そして右側には聖母マリアが描かれており、どちらも白いローブを着ている。聖母マリアと大天使ガブリエルの絵は、背景の部屋に比べて不釣り合いな程大きい。

美術史家の意見では、これは、聖人(特に聖母マリア)を周りより大きく見せることが、国際ゴシック様式と後期ビザンチン式の伝統の聖画像だというしきたりを意味している。聖人達は彫刻された台座と額縁に
描かれており、聖人達へ向かって光が指していることによって、重厚感のある折り畳まれたひだを強調している。

聖母マリアは、純粋、そして聖霊の象徴であるハトが彼女の頭上に舞う間、彼女の典型的な特徴である祈祷書を手にしている。

劇的な設定と背景が黒の大理石であるのにも関わらず、聖人達は北方ルネサンス期の写実的なポーズと身振りしている。二連祭壇画は非常に奇術的である。卓越した色は黒と白の多層の影で描かれており、彫像が生きているような感覚を持たせることによって、石像彫刻に似せようという意図がみえる。

描かれている額縁と造形は、台詞を話しているかなり初期の騙し絵の実例である。額縁には天使と聖母マリア(ルカによる福音書1章26~38節)の言葉も書かれており、大天使ガブリエルが「恵まれた者よ、主はあなたは共におられる。」と言い、聖母マリアは「わたしは主のはしためです。お言葉どおりこの身に成りますように。」と答えている。

画面左上の窓からは、七つの贈り物が、七つの線となり、聖なる魂を象徴している鳩とともに降り注いでいる。これは、神が人類を救おうとしている動きを捉えた瞬間なのである。神の人類への教示により、法律が支配していた旧時代から優雅さに満ちた新しい時代への変遷を見ることができる。

この作品は、ヤン・ファン・エイクの兄である、フーベルト・ファン・エイクの作品であるという説もあったが、近年の研究結果では、やはりヤン・ファン・エイク本人の作品であるという見解が有力である。

《受胎告知》の基本情報

  • 制作者:ヤン・ファン・エイク
  • 作品名:受胎告知
  • 制作年:1434年-1436年
  • 製作国:不明
  • 所蔵:ティッセン=ボルネミッサ美術館
  • 種類:二連祭壇画油絵
  • 高さ:39cm
  • 横幅:24cm
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