作品概要

ロシュフォールの逃亡》は、画家のエドゥアール・マネによって描かれた作品。制作年は1881年から1881年で、チューリヒ美術館に所蔵されている。

この絵は、1871年に起きたパリコミューンの一端を担った罪で、当時フランスの流刑地だったニューカレドニアに国外追放されていたビクトル・アンリ・ロシュフォールの1874年の脱出を描いた作品である。歴史画とは、伝統的に歴史上の事件や神話や宗教を扱った絵画を指すが、『ロシュフォールの逃亡』もまた、当時まだ人々の記憶に新しかった事件を描いた作品として、とても意義深い作品だと思われる。

帝政に敵意を持って反対していたロシュフォールは1868年、反体制の新聞「ラ・ランテルヌ(街灯)」を創刊したが、すぐに発刊停止になった。1873年、彼はパリコミューンに関与した罪で服役を命じられた。ロシュフォールの劇的で向こう見ずな海を渡る逃亡は、事件の6年後、マネにこの変わった構図の絵を描く発想を与えた。

マネは上院と代議院での1879年1月の共和派の勝利と、1880年7月の恩赦によるロシュフォールの帰国を待ち、このテーマに取り組んだ。マネはこの作品を1881年のサロンに出品するつもりであった。しかし、当時まだフランス人のこの事件に対する見解が分かれていたのでサロンへの出品が不適切と思われたのか、あるいはサロンまでに完成させることができなかったのか、その代わりにロシュフォールの肖像を出品した。

この絵は、1880年の2月以降描かれた二点の『ロシュフォールの逃亡』のうちの大きい方の作品である。もう片方の小ぶりな作品はオルセー美術館蔵である。どちらの作品を先に描いたかは不明であるが、2作品とも広大な海に浮かぶ小さなボートとカンヴァスの最上部の水平線上に救助船を描いている。

この大きな方の絵では、鮮やかで大まかなタッチで逃亡者たちの乗ったボートを画面中央に描いている。マネは通常、政治に関心のない人物として考えられているが、『ロシュフォールの逃亡』は『皇帝マキシミリアンの処刑』と並び、強力な政治的声明である。

《ロシュフォールの逃亡》の基本情報

  • 制作者:エドゥアール・マネ
  • 作品名:ロシュフォールの逃亡
  • 制作年:1881年-1881年
  • 製作国:不明
  • 所蔵:チューリヒ美術館
  • 種類:油彩 カンヴァス
  • 高さ:143cm
  • 横幅:114cm
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