作品概要

ヴィクトリーヌ・ムーランの肖像》は、画家のエドゥアール・マネによって描かれた作品。制作年は1862?年から1862?年で、ボストン美術館に所蔵されている。

『ヴィクトリーヌ・ムーランの肖像』は、マネが力強く素早いタッチを使った最初の作品であり、ヴィクトリーヌ・ムーランを描いた最初の肖像画である。彼女は1875年まで、『草上の昼食』、『オランピア』、『サン・ラザール駅』などのためのモデルを務めている。

1862年当時ヴィクトリーヌ・ルイーズ・ムーランは若干21歳であったが、その表情にはすでにある種の重々しさがある。マネは裁判所で偶然彼女に出会い、彼女のまれな容姿に惹かれた。彼女はパリの五区のメートル・アルベール通り沿いに住んでいて、ギターとバイオリンを弾き、写生をした。

16歳の時、トマ・クチュールの美術モデルの仕事をしていたので、写生はその時に学んだのかもしれない。この肖像画は、もの思いにふけった彼女を描いている。彼女はベネツィア人特有の赤毛をしており、首にマネがしばしばモデルに付ける黒いリボンを巻いている。この実験的な作品では、アクセントとして描かれたこの黒い首飾りはまだ少しぎこちなく重い印象があるが、のちにマネは熟練した技術で影を上手く描く方法を学ぶことになる。

この作品は、ビクトリーヌにとって『街の歌い手』に続いてマネのモデルを務めた二作目である。マネは、型にはまった画家であれば社交界の美人に捧げるであろうすべての注意を彼女に向けた。彼女は、もはやどこにでもいそうな匿名の“街の歌い手”ではなくなり、名前を付けられる栄誉を得たのである。

この絵には明らかな厚意も現れている。マネは彼女の割れた顎の先や四角い顎とコニャック色の目に手間取っている。張りのないリボンに半分隠された赤髪は、こめかみの辺りからはみ出し、その一方でとても明るいブロンドのまつげはほとんど消えそうである。

彼女は型どおりの美人ではないかもしれないが、まじめな少し顔色の悪い彼女の顔は人をたじろがせる。

《ヴィクトリーヌ・ムーランの肖像》の基本情報

  • 制作者:エドゥアール・マネ
  • 作品名:ヴィクトリーヌ・ムーランの肖像
  • 制作年:1862?年-1862?年
  • 製作国:不明
  • 所蔵:ボストン美術館
  • 種類:油彩、カンヴァス
  • 高さ:42.9cm
  • 横幅:43.8cm
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