作品概要

瞑想するバラ》は、画家のサルバドール・ダリによって描かれた作品。制作年は1958年から1958年で、個人蔵に所蔵されている。

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『瞑想するバラ』は、ダリが自身の「原子核的神秘主義」についての著作「反物質宣言」を発表した、1958年の作品である。

「反物質宣言」で科学や遺伝子、物理学などへ深い関心を示しながら、ダリはこのように述べている。「シュルレアリスムの時代、私はジーグムント・フロイトの素晴らしい世界、内面世界を絵画に表現するためのイメージを探求し続けた。フロイトは私の父であった。しかし今は、物理的な意味での外の世界への関心が心理学へのそれを超越した。現在私の父はハイゼンベルク博士である。」

本作品に関してはそのどちらに属するか明確ではない。引き伸ばされた風景やダブルイメージを示すような便利なモチーフは使われていない。ダリの画家としての卓越した技術・表現力がいかんなく発揮された、シンプルで美しい絵だ。

青い空に、茎のないバラの花が浮かんでいる。バラの花のはるか下にはラフに描かれた建物や土地、2人の人物と寄り添うように長く伸びた彼らの影が見える。

鑑賞者を圧倒するのは画面の大部分を占める空の透明感のある青さ、頭上に輝く太陽のような真紅のバラのサイズ感とみずみずしい表現だ。来し方を振り返るようにたたずむ2人の人物。大きなバラの花弁についた水滴が、花をより立体的に見せ新鮮さと生命感を感じさせる。

バラは古来、愛や情熱の表現として使用され、赤はそれを強調する。ダリ作品においても同じ意味で使われていることから、これはシンプルに愛を表現していると考えられる。

また一方ダリにとってバラは女性の象徴であり、女性=ガラである。空間に浮かぶバラの花はタイトルが示すように瞑想の様子を表現し、ダリが自らを発見し確立していくことを支えたガラの愛、その愛の絶対性を信じるダリの姿が見えてくるのではないだろうか。

《瞑想するバラ》の基本情報

  • 制作者:サルバドール・ダリ
  • 作品名:瞑想するバラ
  • 制作年:1958年-1958年
  • 製作国:不明
  • 所蔵:個人蔵
  • 種類:キャンパス、油彩
  • 高さ:36cm
  • 横幅:28cm
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