作品概要

ラファエロの聖母の最高速度》は、画家のサルバドール・ダリによって描かれた作品。制作年は1954年から1954年で、国立ソフィア王妃芸術センターに所蔵されている。

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第二次世界大戦の勃発を受けダリとガラはアメリカに移住、1940年~1948年の8年間アメリカ社会に身を置いた。

ダリは広島・長崎への原子爆弾投下に大きな衝撃を受け(当時アメリカでは原爆投下に関する内情などは一切報道されず、破壊力だけが報道されていた)、核によるカタストロフの到来を予感した。以降ダリの画風は一転する。

アメリカへ移住する前後から、ダリの関心はフロイト的「無意識」世界から「量子論」へ移っていた。当時の物理学がとらえつつあった「物質の根源的性質には物質ではない何かが存在する」という説に大いに神秘性を感じたのである(当時はまだ波動の概念がなかった)。そのような「量子神秘主義」を経て、ダリの「原子核的神秘主義」の時代が始まる。

『ラファエロの聖母の最高速度』はまさにそうした時期に描かれた一連の作品のひとつある。

ラファエロ風の聖母像という宗教的アイコンが、核分裂するように多数の球体に規則的に分解されていく。原子爆弾によりか科学の脅威に目覚めたダリは、同時にカトリックへの信仰を深めていた。1951年「神秘主義宣言」を発表。シュルレアリスムと決別し、現代物理学の原子体系と宗教的なモチーフが混在する神秘主義的な空間を描き、神や科学などの絶対的な力を自己の内面に感じることを目指した。

またこのような新しい試みに意欲的に取り組む過程にあっても、そこには故郷カダケスやクレウス岬の懐かしい岩のある風景が繰り返し描かれ続けている。

《ラファエロの聖母の最高速度》の基本情報

  • 制作者:サルバドール・ダリ
  • 作品名:ラファエロの聖母の最高速度
  • 制作年:1954年-1954年
  • 製作国:不明
  • 所蔵:国立ソフィア王妃芸術センター
  • 種類:キャンバスに油彩
  • 高さ:81cm
  • 横幅:66cm
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