作品概要

二人の女と一人の男》は、画家のフランシスコ・デ・ゴヤによって描かれた作品。制作年は1819年から1819年で、プラド美術館に所蔵されている。

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『二人の女と一人の男』、『笑う女たち』(スペイン名:Dos Mujeres y un hombre)あるいは『奉仕』は、スペインの画家フランシスコ・デ・ゴヤが、およそ1820年から1823年の間に制作した絵画である。

この作品はゴヤの14作品からなる「黒い家」シリーズのひとつで、彼の晩年に絶望の内に描かれた。そのため絵の雰囲気と色づかいは暗く重苦しいものとなっている。本作品には、狂人めいた笑みを浮かべた女たちが、絵の右側で自慰をしている愚鈍な男をあざ笑う姿が描かれている。その一方で左側の女もまた自慰にふけるようでもあり(記述または口述を問わず、このシリーズの作品についてのゴヤのコメントは存在しない)、批評家と歴史家たちはこれを絵画が表わす「無益さ」と「不毛」の象徴と結びつけて考えている。

当時75歳のゴヤは、肉体的にも精神的にも苦痛に苛まされていた。「黒い絵」シリーズはゴヤの晩年を飾るシリーズ作であり、マドリード郊外の自宅の漆喰の壁に直に油絵具を用いて制作された。絵画がカンバスに移されたのは、ゴヤの死後50年ほど後の1874年のことである。

本作品に描かれた登場人物は、一般的には男と魔女たちであるとされるが、実際に画家の意図がどのようなものであったかは不明のままだ。背景もなければコンテクストもない状態では、これらの登場人物の正体や彼らがなにをしているのか、また舞台はどこかといったこともわからない。こちらに顔を向けている右の人物は男であるとされている。彼の手は股間の辺りに置かれ、自慰を行なっているようである。美術評論家のフレド・リヒトによれば、「彼の顔に浮かんだ病んだ笑みは、ある種の性に対する脅迫観念を示しているように見受けられる」という。

不気味な嘲笑を浮かべる女たちは娼婦のようで、隣りに立つ男を無視しているようにも見える。ある批評家はカンバス下部で左側の女もまた自慰を行なっていると主張し、これを裏づける証拠として隣りの男と同様にグロテスクな女たちの奇妙な表情をあげている。
同シリーズのほかの大部分の作品のように、本作品のエックス線検査では、最終版ができあがる前にカンバスの絵が描き直されていたことが示されている。最前列の人物の手の位置は変えられ、また女たちは以前の版では男のひざの上で本を読んでいる姿で描かれていた可能性がある。

1820年から1830年頃のゴヤの友人アントニオ・デ・ブルガダの目録によると、『二人の女と一人の男』は『読書』の反対側の壁に描かれていたという。本作品は現在、マドリードのプラド美術館に所蔵されている。

《二人の女と一人の男》の基本情報

  • 制作者:フランシスコ・デ・ゴヤ
  • 作品名:二人の女と一人の男
  • 制作年:1819年-1823年
  • 製作国:不明
  • 所蔵:プラド美術館
  • 種類:油絵
  • 高さ:125cm
  • 横幅:66cm
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