作品概要

サン・イシードロの巡礼》は、画家のフランシスコ・デ・ゴヤによって描かれた作品。制作年は1819年から1819年で、プラド美術館に所蔵されている。

『サン・イシードロの巡礼』(スペイン名:La romería de San Isidro)は、スペインの画家フランシスコ・デ・ゴヤにより描かれた「黒い絵」シリーズ内の一作。1819年に画家によって購入され、「聾者の家」(Quinta del Sordo)として知られる家の内壁に1819年から1823年の間に描かれた。この絵はおそらく一階の壁の絵画『魔女の夜宴』に向かい合って位置していたものとされる。

この絵はほかの「黒い絵」シリーズの絵画のように、1873年から1874年の間にマドリードのプラド美術館の学芸員サルバドール・マルティネス・キュベルスの監視の下カンバスに移された。1881年、所有者バロン・エミール・デルランジュにこれらのカンバスはスペイン政府に寄贈され、現在はプラド美術館に展示されている。

マドリードのサン・イシードロに向かう巡礼者たちの様子を描く『サン・イシードロの巡礼』は、30年前の作品『サン・イシードロの牧場』のときとは正反対のゴヤの同題材に対する態度を示している。もし30年前の作品がマドリードの伝統的な休日における慣習の描写と都市の正確な眺望を描いたものであったとするなら、本作品が描くものは夜の中にありありと浮かび上がる人々の姿、歌う酔っぱらいたちの不気味に歪んだ顔である。さまざまな社会階層の人物たちの姿もこお絵の中には描かれている。絵画の前景に見られるのは下層階級の人びとで、背景の方にはシルクハットと修道女の僧衣が見受けられる。

行列のテーマは、劇的あるいは風刺的な側面を強調するために用いられた。この点において、本作品は1812年から1819年の間に描かれた絵画『鰯の埋葬』と似た傾向を持つ。

遠方に行くにつれて少しずつ消えていく群衆の顔は、ゴヤの絵画において繰り返されるテーマである。これはすでに『サン・イシードロの牧場』に存在し、後の絵画『戦争の惨禍』で多用されることになった。この絵の端では岩の露出部と行進する群衆の輪郭が一致している。このようにして、開けた空間は残りのすべての密集したちいさな群衆を塊として強調し、個々人の特徴を失わせて混沌とした人々の群れとしている。例外は右側の人物で、その横顔をつぶさに観察することが可能で、呻いているか歌っているように見受けられる。

ほかの同シリーズの作品のように、この絵に使用される色は非常に少ない。本作品においては、黒、黄土色、灰色と土色は自由で躍動的な筆づかいで塗られている。群衆における個の喪失のテーマは表現主義の絵画、とくに画家ジェームズ・アンソールの作品を先き駆けるものとみなすことができる。

《サン・イシードロの巡礼》の基本情報

  • 制作者:フランシスコ・デ・ゴヤ
  • 作品名:サン・イシードロの巡礼
  • 制作年:1819年-1823年
  • 製作国:不明
  • 所蔵:プラド美術館
  • 種類:油絵
  • 高さ:140cm
  • 横幅:438cm
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