作品概要

カプリチョス55番(死が訪れるときまで)》は、画家のフランシスコ・デ・ゴヤによって描かれた作品。制作年は1799年から1799年で、プラド美術館に所蔵されている。

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『カプリチョス55番(死が訪れるときまで)』(題辞:「彼女がおめかしをするのは当然のこと。今日は彼女の75歳の誕生日で、女友達が彼女に会いにやって来るのだから」)はスペインの画家フランシスコ・デ・ゴヤによる版画である。

ゴヤは、「高齢者の虚栄心」と「鏡の効果」というテーマをいくつかの作品でも用いており、最も有名なものとしては『ご機嫌いかが?』があげられる(同絵画には『老女たち』、『時』などのさまざまなタイトルがつけられている)。

美術歴史家のフレド・リヒトの指摘によれば、鏡とカンバスのモチーフには類似性があるという。カンバスも鏡も共に平面の長方形であり、また機能面でも近しい特徴を持つものとして絵画に用いられているというのだ。とりわけゴヤの作品『カルロス4世の家族』では、絵画の鑑賞者があたかも鏡に映ったモデルたちの像を覗きこんでいるかのような印象を受けるようにつくられている。

すなわち、絵画そのものが鏡に映った映像であるということだ(描き手のゴヤ自身の姿もこの鏡の像の中に映っており、以前に同じ手法を画家ベラスケスも『ラス・メニーナス』で用いている)。本作品『カプリチョス55番 死が訪れるときまで』に登場する老女の目には現実の世界における自らの老いた姿も入らなければ、彼女をとり囲むおべっか使いの男たちのあざけりに満ちた態度にも気づかない。この絵画のタイトルが意味するのは、たとえ目に映る証拠がいくつあろうとも、老女が自己欺瞞のまぼろしから目覚めるときは訪れないということだ。

この絵のモデルはオスナ女公爵だったとも、あるいはマリア・ルイサ女王だったという説さえ存在する。しかしながら、モデルが実際には誰であったか、ということはここでは問題にならない。いずれにせよ、彼女は実在する特定の人物という枠組みを越えた存在となって、普遍的なテーマである「人間の自惚れ」を警告する戯画の滑稽な登場人物として絵の中に描かれているのだ。

《カプリチョス55番(死が訪れるときまで)》の基本情報

  • 制作者:フランシスコ・デ・ゴヤ
  • 作品名:カプリチョス55番(死が訪れるときまで)
  • 制作年:1799年-1799年
  • 製作国:不明
  • 所蔵:プラド美術館
  • 種類:版画
  • 高さ:21.5cm
  • 横幅:15cm
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