作品概要

女占い師》は、画家のミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオによって描かれた作品。制作年は1594年から1594年で、カピトリーノ美術館に所蔵されている。

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「女占い師」にはバージョン違いが2種類あり、原作は1594年に描かれ、現在はローマのカピトリーノ美術館(Musei Capitolini)に展示されており、2枚目は1595年に描かれ、現在はパリのルーブル美術館に展示されている。

「女占い師」には、おしゃれな洋服を身にまとった少年(2枚目に描かれたバージョンでは、この少年のモデルは当時のカラバッジョのお供であった、シチリア人の画家、マリオ・ミニティであると考えられている)が、自分の手のひらを、ジプシーの少女に見せている姿が描かれている。

少年は少女の顔を満足そうに見つめ、少女も少年を見つめ返している。しかし、よく絵を見てみると、少女は少年の手を握りながら、彼の指からこっそり指輪を抜いており、少年はそれに気が付いていない様子だ。

カラバッジョの伝記の著者である、ジョバンニ・ピエトロ・ベローリによると、「女占い師」に描かれているジプシーの少女は、カラバッジョが先人のやり方に習う必要はないということを証明するために、道をゆく群衆の中から無作為に選んだ少女であるという。それはどういうことかというと、カラバッジョが著名な彫刻家であるフェイディアスやグリコンの作った彫刻を、絵のモデルとして差し出された時、カラバッジョは道行く群衆を指さし、自然にならう方が、先人に習うよりよいと言い放ったのだ。そして、このエピソードに象徴される「女占い師」に対するマナーが、カラバッジョの作品には今後良く表れるようになる。カラバッジョは、すでに原作が存在するモデルを参考にするのではなく、実際に身近に存在している物/人から、モデルを選び、作品を完成させていくようになったのだ。

「女占い師」が完成した1594年の当時、その完成に若い画家やアバンギャルドなローマのコレクターの注目が集まった。

しかし、当時のカラバッジョは貧窮しており、「女占い師」をわずか8スクードで売り払うことになってしまう。そして、「女占い師」は、後にカラバッジョの大事なパトロンとなる、当時裕福で目利きの鑑定家であったマルチーズ・ヴィンセンテ・ジュスティアーニのコレクションに加わった。

結果、続く1595年、ジュスティアーニの友人であったカーディナル・フランチェスコ・マリア・デル・モンテが、カラバッジョの作品である「トランプ詐欺師」を購入することとなり、その後カラバッジョはカーディナルの家に厄介になることになる。その後、デル・モンテのために、カラバッジョは原作を参考にしながら2枚目の「女占い師」を描いた。原作で不明瞭だった背景は、2枚目ではっきり壁とわかるように描かれ、窓のサッシと半分まで引かれたカーテンの影が描かれている。

2人の人物は空白を埋めるように描かれ、より三次元にわたって存在感を表している。日差しはより強くなり、少年の来ているダブレットと少女の袖の部分が、より複雑に描き込まれている。少年の手はより子供っぽく純朴に描かれ、少女は行為がばれないように、このシチュエーションに酔っているように描かれている。

また、「女占い師」と「トランプ詐欺師」は、1954年に描かれたカラバッジョの2つの風俗画として知られている。「女占い師」は「トランプ詐欺師」よりも前に描かれ、カラバッジョがジュゼッペ・ツェザリのワークショップを離れて、自分で絵を売って生計を立てていくことを決めた時期と重なるといわれている。

《女占い師》の基本情報

  • 制作者:ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオ
  • 作品名:女占い師
  • 制作年:1594年-1594年
  • 製作国:不明
  • 所蔵:カピトリーノ美術館
  • 種類:油彩
  • 高さ:300cm
  • 横幅:180cm
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