作品概要

プロヴァンスの収穫》は、画家のフィンセント・ファン・ゴッホによって描かれた作品。制作年は1888年から1888年で、ハーバード大学付属フォッグ美術館に所蔵されている。

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1888年6月に描かれた作品で、油絵「クロー平野の収穫、背景にモンマジュール」と同一の構図で描かれている。油絵は、本作品を模写して描いたと考えられることから、ゴッホがどのような手法や芸術論上の修正を加えたか、比較ができる作品となっている。

グラファイトおよび 黒色の チョーク, 油彩かパステルを用いて下色をつけ, 茶色の、水彩および ガッシュで紙に描かれている。

油絵作品と比べると、より写実的に描かれている。まず、遠近感では、油絵では強調され、遠くの風景はより小さく、近くの対象はより大きく描かれていることが分かる。また、左右の人物や荷車の配置も、油絵では大小が強調され、本作品ではより自然の遠近感で描かれている。また、油絵では右側の建物の横で、働く人物と荷車が、比較的大きく描かれ、結果として、左右の距離感が強調されている。油絵では中央に複数の人物が収穫をしている姿が描かれている。空はより小さく、大地がより大きく描かれ、麦畑が黄色から黄土色の異なる色彩の階調で一杯に広がりを見せて、細部が省略されている。

ゴッホは、構図の中で二次元の平坦な面の上の色が、心象に与えるリズミカルな動きを捕らえていて、面に置く色の配置とともに、馬車や荷車の上で、異なる色を対置させて、画面全体に心的なリズムを作り出していることが分かる。遠景の山脈に至っては、輪郭線がより太く描かれていて、非現実的な表現ながら、空と大地の色の対比を力強く強調して、照射しなければ見えないはずの光の感覚をも移し込んでいる。

ゴッホはこの後、輪郭線や筆のストロークや、ストロークによるジェスチャーをマチエール豊かに描き込み、目では見えない心的イメージを目で見える風景に重ねて行く。その、過程を端的に見せているのが、紙に描かれた「プロヴァンスの収穫」と、キャンバスに同一構図で描かれた「クロー平野の収穫、背景にモンマジュール」だと言える。

《プロヴァンスの収穫》の基本情報

  • 制作者:フィンセント・ファン・ゴッホ
  • 作品名:プロヴァンスの収穫
  • 制作年:1888年-1888年
  • 製作国:不明
  • 所蔵:ハーバード大学付属フォッグ美術館
  • 種類:グラファイトおよび 黒色の チョーク, 油彩 (パステル?), 茶色の、水彩および ガッシュ / 紙
  • 高さ:39.4cm
  • 横幅:52.3cm
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