作品概要

サント=マリーの眺め》は、画家のフィンセント・ファン・ゴッホによって描かれた作品。制作年は1888年から1888年で、クレラー・ミュラー美術館に所蔵されている。

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1888年6月にアルルで描かれた作品。平面、立体、奥行きが一枚の絵の中で均一な構図を取っている。ゴッホは、絵画が立体を二次元に映す時に、目の錯覚が構図を引き出すことを意識していて、「サント・マリーの眺め」は、色の配列による目の錯覚を誰もが感じることができる作品である。

方向の違う面を、光の当たり方で変化する色で表し、輪郭線を描くことで、立体構図を表現している。連続する屋根と壁は、異なる階調の色で重ねられ、輪郭線がなければ、色は構図から分解して、キャンバスの平面に並べられたタイルのように色の階調に戻る。

時間の異なる面を、色や輪郭線でリズミカルに配列した20世紀のキュビズムの先駆けが、後期印象派から続いて行く一つの標(しるべ)となる作品である。

この絵画の中央に拡がる紫の列は、作品が描かれた6月に満開となっているラベンダーだ。 南フランスではラベンダーはハーブミックスや香油として、防虫剤から、石けん、オーデコロン、料理に至るまで多様に利用されている。奥中央やや左に、女性が一人、花を摘んでいる。右奥の町の中に、もう一人人物が立っているのが見える。全体的には閑散としていて、家並みが手前から平屋、2階建てと連なり、一番奥に大きなロマネスク様式の教会が、城のように建っている。

全体的にはパステルカラーで階調が整えられ、見る人に対して一定の心象を与える。ゴッホは、色調と心象の変化についても、多様な表現を試みているが「サント・マリーの眺め」では、パステル固有のグレー感が、「寂しさ」や「不安」を与えると言われる。しかし、この絵画でゴッホが「不安感」までをも意識していたかは、明らかではない。

《サント=マリーの眺め》の基本情報

  • 制作者:フィンセント・ファン・ゴッホ
  • 作品名:サント=マリーの眺め
  • 制作年:1888年-1888年
  • 製作国:不明
  • 所蔵:クレラー・ミュラー美術館
  • 種類:油絵具
  • 高さ:64cm
  • 横幅:53cm
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