作品概要

イタリア女》は、画家のフィンセント・ファン・ゴッホによって描かれた作品。制作年は1887年から1887年で、オルセー美術館に所蔵されている。

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本作に描かれている女性がアゴスティーナ・セガトーリ(1843-1910)であることに疑いはない。彼女はそれまでにジャン=レオン・ジェローム、ジャン=バティスト・カミーユ・コロー、エドゥアール・マネらのモデルをしていた人物であり、本作が制作される以前、ゴッホと数か月ほど恋愛関係にあったともいわれている。ゴッホは1886年3月から1888年2月にかけてのパリ時代において、新印象主義者らによって発達した科学的な色彩理論の手ほどきを受けていた。彼は日本の版画にも大いに興味を示し、本肖像画においても、それらから得た影響をきわめてゴッホ的に表象している。

幾つかの要素は日本の版画を追想させる――左右非対称な縁取りがなされ、デフォルメされた人物は影とパースを付けずに描写されており、背景は単色である――本作は、西洋美的に洗練された筆致ではない活気あふれる描き方によって、ほとんど原始的な力をもった表現へと結実している。

新印象主義者たちは強い感情表現を求めて近代的な色彩分割法を考案した。ゴッホも彼らに倣って赤と緑、青と橙を関連付けて考えたが、スーラやシニャックらの特徴である点描の技法ではなく、ハッチングを神経質に十字の形に重ねていく技法を採った。この技法がもたらす攻撃的で表現的な色彩こそ、ゴッホをフォーヴィズムの先駆者たらしめるものとなったのである。

アゴスティーナの顔は赤と緑で主に描かれているが、この表現はゴッホが目指した表現の具体化である。彼は数年後にアルルにてはっきりとこう言明している。「人間のおそろしい激情を表現できるのは赤と緑によってだ。」

《イタリア女》の基本情報

  • 制作者:フィンセント・ファン・ゴッホ
  • 作品名:イタリア女
  • 制作年:1887年-1887年
  • 製作国:不明
  • 所蔵:オルセー美術館
  • 種類:油彩
  • 高さ:81cm
  • 横幅:60cm
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