作品概要

ムーラン・ド・ラ・ギャレット》は、画家のフィンセント・ファン・ゴッホによって描かれた作品。制作年は1886年から1886年で、カーネギー美術館に所蔵されている。

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パリはモンマルトルの小景を描いた作品で、生き生きとした青と緑といった明るい色調が印象的な絵画であり、ゴッホの当時のパリ画壇で流行していた大胆な色使いへの傾向がみられ、1886年にパリに移住する前のゴッホの暗い色調中心の絵画との対比を際立たせている。

また、中央左の塀の近くにイーゼルと絵描きの小さな姿を描き、印象派による戸外制作活動を示唆している。新鮮な色調は繊細で軽やかなでありながら、明らかに注意深くコントロールされた筆さばきにより透明感のある色で描かれている。丘の頂上の草の尖った葉先、小さな葉、ガタつく塀、建物、庭などが細部までまるで蜘蛛の巣を思わせる繊細な線で描かれている。構図の下の方にある草の葉先や黄色の花々は明らかに大きく、厚みのある筆さばきで描かれ、見る人との距離の近さを表している。

このような階層的な構図は丘の斜面を際立たせ、右寄り中央上部にあるムーラン・ド・ラ・ギャレットの風車(The Moulin de Blute-Fin)に見る者の目を吸い寄せる効果がある。その左側に見えるもう一つの小さい風車「胡椒挽き」(the Moulin à Poivre)も描かれている。

1886年6月、ゴッホと弟のセオがモンマルトルの三つの風車を見渡せるレピック通り54番地のアパートに移った際、これらの風車は当時既に小麦を挽く風車として機能しておらず、ムーラン・ド・ラ・ギャレットという名前に変わってパリ社交の中心として賑わっていた。しかしゴッホは人々で賑わう風景ではなく、風車の構造と空の色や草に覆われた丘の色調の微妙な差異といった地形的な眺めに着目している。

カーネギー美術館にあるこの絵は、同時期に描かれたグラスゴー美術館所蔵の「ムーラン・ド・ラ・ギャレット(The Moulin de Blute-Fin)」と密接な関係があるとされる。はっきりと力強い筆遣いのグラスゴー美術館所蔵作品と比較すると、この作品の注意深く制御された筆遣いや細部まで描きこんだ構図から、おそらく戸外制作ではなくスタジオで完成された作品であると分析されている。

《ムーラン・ド・ラ・ギャレット》の基本情報

  • 制作者:フィンセント・ファン・ゴッホ
  • 作品名:ムーラン・ド・ラ・ギャレット
  • 制作年:1886年-1887年
  • 製作国:不明
  • 所蔵:カーネギー美術館
  • 種類:油彩
  • 高さ:47.31cm
  • 横幅:39.37cm
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