作品概要

りんご売り》は、画家のピエール=オーギュスト・ルノワールによって描かれた作品。制作年は1890年から1890年で、クリーグラント美術館に所蔵されている。

『りんご売り』はピエール・オーギュスト・ルノワールの1890年の油彩画である。若い田舎娘がルノワールの妻・アリーヌにりんごをすすめている様子を描いている。麦わら帽子の少年はおそらくルノワールの甥のエドモンであろう。髪にリボンをつけた少女のように見える子どもは、アリーヌとルノワールの長男、ピエールとも言われている。

人物たちは柔らかでまだらに差す陽光を浴びており、キャンバス全体を覆う、流れるような筆使いが調和を生み出している。影は深い色彩であらわされている。りんご売りの服装は暗く質素で、ルノワールの家族たちとの階級の違いが明確にあらわされている。飛び跳ねる犬が、静かな雰囲気の画面にユーモアと躍動感を与えている。この作品はアリーヌの故郷であるフランスの東にあるエソイエで制作されたと言われている。

1880年代のルノワールは、イタリア旅行でラファエロをはじめとするルネサンス美術に触れたことをきっかけに、印象派的な表現から距離を置くようになった。新古典主義のドミニク・アングルの影響を受け、はっきりとした輪郭線や造形、冷たい色彩が特徴とされる。『りんご売り』が制作された1890年代に入るとその鮮やかな色彩や光の描写が戻り、印象派的な表現への回帰がみられる。

一方でこの頃はルノワールがリウマチ悩まされ始めた時期でもある。1888年、ルノワールが47歳の時に発症したリウマチは晩年にわたって進行したが、彼は手指が不自由となっても絵筆を取り続けたという。なお、本作のモデルのひとりといわれるルノワールの息子、ピエールはのちに俳優となり、舞台・映画で活躍した。

《りんご売り》の基本情報

  • 制作者:ピエール=オーギュスト・ルノワール
  • 作品名:りんご売り
  • 制作年:1890年-1890年
  • 製作国:不明
  • 所蔵:クリーグラント美術館
  • 種類:油彩
  • 高さ:93.03cm
  • 横幅:82.23cm
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