作品概要

アルジェの女》は、画家のピエール=オーギュスト・ルノワールによって描かれた作品。制作年は1870年から1870年で、ファイン・アート・ミュージアム・オブ・サンフランシスコに所蔵されている。

『アルジェの女』は、1870年にルノワールが描いた油彩画である。絵のモデルであるユダヤ人女性レベッカ・クレモンティーヌ・ストーラはユダヤ人で、アルジェ人の民族衣装を着ていることがやや風変わりであり、何処で描かれたものであるのか議論の的となった。

ルノワールは『アルジェの女』『アルジェリア風のパリの女たち』等、オリエント趣味の作品を残しているものの、これらは生きた人々を活写するというよりも、前者はアングル作『グランド・オダリスク(横たわるオダリスク)』、後者はドラクロワの『アルジェの女達』といった先行するオリエント趣味作品らにオマージュとして捧げたものと見受けられる。1881年にアルジェを訪れるまで、ルノワールは海外にでたことがなかったのである。

『アルジェの女』は、コリン・ベイリーによって、「印象派の原型」と評される。大胆なブラシ捌きと活力に満ちた色彩は、ルノワールが心酔したドラクロワの影響に淫し、ギュスターヴ・クールベやエドゥアール・マネのリアリズムを一時的に拒絶する中で極めた頂点を示すものである。後年画風を大きく変えてから、ルノワールはこの作品を引き合いに出されることを不満に思い、「素人の物好きはいつも私の古い描き方を求める」と拒絶した。

現代の写真技術によって、絵の中でクレモンティーヌが着るアルジェ人の衣装は、当時のアルジェ人が身に付ける正装であったことがわかっている。しかしながら、1870年代のパリにおいてこの衣装はパリ風とは言えず、アルジェリア人を絵の主題に置くことについて、ルノワール自らが民族的なリアリティを企図したのか、ストーらの側から求めたのかは定かではない。クレモンティーヌの表情は何やら満たされぬようでもある。衣装が本物であることと、実在の人物の肖像画であることは、この絵画がオリエントの幻想に囚われた絵ではないこと、肖像画の形式に法っていることは教えてくれるが、作者とモデルが何を伝えたかったのかは謎のままである。

《アルジェの女》の基本情報

  • 制作者:ピエール=オーギュスト・ルノワール
  • 作品名:アルジェの女
  • 制作年:1870年-1870年
  • 製作国:不明
  • 所蔵:ファイン・アート・ミュージアム・オブ・サンフランシスコ
  • 種類:油彩
  • 高さ:84cm
  • 横幅:58cm
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