作品概要

赤いモデル》は、画家のルネ・マグリットによって描かれた作品。制作年は1934年から1934年で、ロッテルダム、ボイマンス=ファン・ブニンヘン美術館蔵に所蔵されている。

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気味が悪いほどリアリスティックな人間の足の形をした靴が一足描かれている。(これはヴァン・ゴッホの作品『一足の靴』を彷彿させる。こちらは本物の革靴が一足描かれている作品だが)

足と靴は類似性を表しているが同時にコントラスト,両極性もおもしろいようにみられる。足と靴、人間と非人間、都会と自然、内と外など。その二つの親和性がありつつも異なる物を合わせて新しい物体を作り上げてしまうこの作品は混成の実証と怪奇さの表現に他ならない。本来人間の足を包み込む靴が(外)中に収まるべき人間の足を(内)を取り込んでしまうというミステリアスなシチュエーション。

そしてそれが置かれている風景がどこにでもありそうな土のグラウンドの上でまるで置き去りにされたかのように見える。人間の傷つきやすい裸足の足が死んだ野獣の皮で作られた靴に変容している、生と死の混在、足と靴の親和性がみられるのである。もちろんありえない矛盾であるが、なんとも履く人の不在と置き去りにされた靴の鬱屈感に息を止めて見てしまいそうな作品である。

マグリットのテーマである『在る物は無い物を隠している』ーー人間の足としてみるならばきっと平坦な道ばかりを歩いて来てはいないであろう足のようであるし、靴としてみるならば、それを履いていた生身の人間の不在が無念さを伝えているようだ。この作品から感じるのは怪奇さや矛盾ばかりではない。荒れた土の上に置かれた一足の靴はひんやりとした静けさとその苦悩に満ち溢れた道のりを訴えているような気がするのだ。

《赤いモデル》の基本情報

  • 制作者:ルネ・マグリット
  • 作品名:赤いモデル
  • 制作年:1934年-1953年
  • 製作国:不明
  • 所蔵:ロッテルダム、ボイマンス=ファン・ブニンヘン美術館蔵
  • 種類:油彩
  • 高さ:183cm
  • 横幅:136cm
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