作品概要

怒れる音楽家》は、画家のウィリアム・ホガースによって描かれた作品。制作年は1741年から1741年で、大英博物館に所蔵されている。

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『怒れる音楽家』は、1741年にウィリアム・ホガースが作成した版画で、ロンドンに移り住んだ音楽家が窓の外の喧騒で集中できずに怒り出す様子を描いている。

1740年11月、ホガースは「挑発される音楽家」「悩める詩人」に加えて第三者視点で画家を観察した三部作のセット作品を考えていた。画家の作品を完成させることはかなわなかったが、他の二作は1741年に二枚一組セットで発行された。版画の原案となった油彩スケッチがオックスフォードのアシュモリーン美術館に所蔵されているが、白黒スケッチや版画の下絵とはやや違う描写となっている。

当版画は、コミカルな一場面をはっきりとした調子で描いている。バイオリン弾きが演奏しようとしているが、彼の部屋の窓の下に、けたたましいロンドンの町衆が通り過ぎていき、彼の邪魔をする。泣きわめく赤子を抱きながら「レディーズ・フォール」というバラッドを歌う妊婦の上でオウムがその歌をオウム返ししている。立小便をする男児の傍で、ラチェットを握りしめた少女が興味深くそれを見ている。少年の体には訓練用の重りが結び付けられており、走るとそれが音を鳴らすようになっている。

絵の中央ではミルク売りが声を張り上げており、絵の焦点を作り上げている。他にも人物は描かれているが、小さな子供を使ったり姿勢を工夫させることで、ミルク売りの女性が鮮やかに観る者の視線を引き付けている。ホガース研究科ロナルド・ポールソンによれば、ミルク売りの女性は優雅に歌を宇歌いながらミルクを売りさばき、スカートを翻しながら男児の粗相をひらりと交わしている。彼女こそがこの中で天性の音楽家である、とでも言えそうな描写の仕方である。

音楽家は怒っているが、その短気な性分と、周囲の環境から自分を隔絶させるような素振りが音楽家にはふさわしくない、と言う風刺が感じられる。騒音に耳をふさぎ、天性の甘い歌声を誇るミルク売りの芸術からも自分を疎外しているのである。

《怒れる音楽家》の基本情報

  • 制作者:ウィリアム・ホガース
  • 作品名:怒れる音楽家
  • 制作年:1741年-1741年
  • 製作国:不明
  • 所蔵:大英博物館
  • 種類:版画
  • 高さ:35.3cm
  • 横幅:40.7cm
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