作品概要

愚かな金持ち》は、画家のレンブラント・ファン・レインによって描かれた作品。制作年は1627年から1627年で、ベルリン絵画館に所蔵されている。

暗い室内にはありとあらゆる書物が乱雑に積み重ねられ、今にも崩れ落ちそうな様子を見せている。いくつか見える白い戸棚にも乱雑に物が置かれている。巾着のようなものはコインなどがはいっているのだろうか。眼鏡をかけた老人は青のゆったりとしたガウンを着て、帽子もかぶっている。襟はまるで貴族のような優雅な白い襟で、よく見ると肩口には金の刺繍もされている。左手にはランプを持ち、右手をかざしながら炎を覗き込んでいる。ランプの下にはコインが複数散らばっている。

聖書の教えを庶民の生活に託す形の作品が求められることが多かったネーデルランド。スペインから独立し、教会に宗教画を飾ることを良しとしないカルヴァン派の教えが主流だったことと、商業が盛んになったことから、こうしたスタイルの作品が求められるようになったという。

作品で描かれているのは、タイトルからルカ12章13-21節の「愚かな金持ち」であると考えられる。この話は「ある金持ちの畑が豊作であった」と始まっている。金持ちは作物を蓄えておく場所について心配し、大きな倉を建てた。何年分も蓄えを得ることができて安心した金持ちに神は蓄えるだけでなく分け与えることも学べと叱りつける。作中の男の衣装や質のよい棚から男は相当に裕福であることが示されている。

加えてランプの下に散らばったコインもまた同じことを示唆しているだろう。多くの書物には目もくれず光をただじっと見つめる男からは、光で神の存在を示唆することが多かったレンブラントが書物ではなく神、そして聖書の教えを作中に表していることが伺える。

《愚かな金持ち》の基本情報

  • 制作者:レンブラント・ファン・レイン
  • 作品名:愚かな金持ち
  • 制作年:1627年-1627年
  • 製作国:不明
  • 所蔵:ベルリン絵画館
  • 種類:油彩
  • 高さ:31.7cm
  • 横幅:42.5cm
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