作品概要

自画像(1660年)》は、画家のレンブラント・ファン・レインによって描かれた作品。制作年は1660年から1660年で、メトロポリタン美術館に所蔵されている。

1660年、レンブラント自身が54歳の時に描かれた自画像で、潜められた眉と憂慮に満ちた表情が画家自身の心の乱れを表現している作品。1913年以降はニューヨークのメトロポリタン美術館に所蔵されている。

54歳のこの頃、レンブラントは破産を申し出、価値のある自己所蔵の芸術品が競売され、弟子や友人からも見放され、イーゼルを設ける工房すら持てない有様であった。この作品には、生涯培ってきた画力と技巧の全てを注ぎ込んだ熟練の結晶が見受けられる。額にしわを刻むほど跳ね上げられた眉には落ち着かない焦燥感が感じ取れるが、一方で力強く光る双眸が自分の敗北を認めてはいない。

口元は歪み、早刻みの皺が示すのはまだ見捨てられる歳ではないと言う意気込みで、天を衝く頭と傾いた帽子に確かな自尊心の発露が見受けられる。レンブラントが傷心を抱えている様子は観る者を射抜くが、それはこの見捨てられた画家こそが記録に残り、彼を見捨てた貴族たちが忘れられたことの証左でもある。

レンブラントはこの後の人生を不遇の内に過ごし、その中で残した大作と言えば『織物商ギルドの会頭たち』位のものであった。今日未だに誰もが知る画家であるレンブラントではあるが、当時の巨大な名声は地に堕ちてしまっていた。

その時期に描かれたこの自画像のレンブラントは、苦境においても勇気を失わず、勇敢に頭を上げ、帽子を斜に構え、さながら自らを追い詰める悪に真っ向挑む気概を見せるかのようである。

《自画像(1660年)》の基本情報

  • 制作者:レンブラント・ファン・レイン
  • 作品名:自画像(1660年)
  • 制作年:1660年-1660年
  • 製作国:不明
  • 所蔵:メトロポリタン美術館
  • 種類:油彩
  • 高さ:80.3cm
  • 横幅:67.3cm
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