作品概要

ベレーと立襟の自画像》は、画家のレンブラント・ファン・レインによって描かれた作品。制作年は1659年から1659年で、ナショナル・ギャラリー・オブ・アートに所蔵されている。

1659年に完成したレンブラント本人の肖像画である。毛皮のコートに身を包んだレンブラントが、膝の上で拳を握りながら座っている。上部右から当てられている光が顔に当たり、頬の陰影を穿ち、右頬や耳のシミ・傷を浮かび上がらせている。絵の色調は茶色からグレイに抑制され、椅子の後ろ側やキャンバス左手のテーブルクロスに使われる赤色を引き立てている。レンブラントの顔はこの絵の中で最も明るく彩色された部分であるが、大きなベレー帽と高い襟の衣服がその周囲に収められ、本人の二重顎を隠している。顔の皮膚は分厚く触感に訴えるような色遣いをなされており、画家本人の肉体的な加齢とこれまでの苦労を物語っているかのようでもある。

当絵画の作成当初、レンブラントは黒ベレーではなく明るい色の帽子を選んでいたとも言われている。1937年以降はワシントンDCのナショナル・ギャラリー・オブ・アートに所蔵されている。

レンブラントは右利きの画家の習いとして、自分の絵筆の動きを妨げないようにイーゼルの左側に鏡を置いて作画することが多く、自画像においても顔の左側が描かれることが多かった。当絵画は「ゼウクシスの肖像画」と並ぶ数少ない左向きの肖像画の一つであり、彼の顔の右側をよく窺い知れる絵と言える。おそらくはレンブラント本人が一連の自画像の中に敢えて右向きを取り入れたのではないかと推測される。

レンブラントの自画像中あまり完成度が高くない本作ではあるが、顔の描写に多用されたブラシ使いの表現力は特筆すべきものであり、レンブラント研究科のエルンスト・ファン・デ・ワーテリンクによると、「この絵画は、言わばひげ剃りブラシを使って描かれたようなものだ。」と言う。

《ベレーと立襟の自画像》の基本情報

  • 制作者:レンブラント・ファン・レイン
  • 作品名:ベレーと立襟の自画像
  • 制作年:1659年-1659年
  • 製作国:不明
  • 所蔵:ナショナル・ギャラリー・オブ・アート
  • 種類:油彩
  • 高さ:84.4cm
  • 横幅:66cm
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