作品概要

浴女たち》は、画家のピエール=オーギュスト・ルノワールによって描かれた作品。制作年は1884年から1884年で、フィラデルフィア美術館に所蔵されている。

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ルノワールは、本作のために数多くの習作を描き、3年の年月を費やして制作した大作。ジョルジュ・プティの画廊で展示された際、画家や批評家、収集家の多くはそのわざとらしいと受け取られ得る表現などに当惑し、画家カミーユ・ピサロからは「線を重視するあまり、人物は背景と分離し各々がばらばらとなっている。また色彩への配慮も欠け調和なき表現へと陥っている。」と批判している。一方、保守的な中流層には好評を得た。

この絵画は裸の女性が水浴びをするシーンを描いている。絵の手前側では二人の女性が水際に横たわり、その傍で三人目の女性が水の中に立っている。後ろ側では、他の二人の女性が水浴びをしている。手前側で水の中に立っている女性は、岸に座る女性たちへ戯れに水をかけようと試みてもいるようであり、後ろ側に仰け反る女性がそれを避けようとしている。
モデルたちが彫像のように描かれる一方で、その背後の風景は印象派的な光の取り方で描かれている。

この手法で、ルノワールは17世紀から18世紀の絵画的伝統、とりわけイングレスやラファエルの技術と、現代的な様式美とを和解させようと試みた。ルノワールはルーベンスやティティアンの絵画にも崇敬の念を抱いており、これらの巨匠の画風と印象派の画風との妥協点を探そうとしていたと考えられる。

本作は、シュザンヌ・ヴァラドンをモデルに女性らの地中海沿岸での水浴場面を描いたもので、印象主義からの脱却と古典主義的な表現への傾倒を示した所謂、「枯渇時代」の集大成。

本作は、ヴェルサイユ宮殿におけるフランソワ・ジラルドンが手がけた噴水の装飾から着想を得ているというが、一方で18世紀ロココ美術の巨匠ブーシェやフラゴナール、新古典主義の大画家アングルなどからもその影響が見出せる。

そして、印象派の画法に疑問を持ち始めていたルノワールにとって、イタリアでラファエロの作品を見て受けた衝撃が、本作にも投影されている。それまでの、輪郭線のない描き方から、キャンバスをジェッソで滑らかにして、下絵を写してはっきりした輪郭線を用いた作風となった。

ルノワールのこの絵画に影響を与えたものとして、ヴェルサイユの噴水公園に飾られるフランソワ・ジラルダン作の彫像、『ニンフの入浴』がある。この彫刻はイングレスの絵画やラファエルのフレスコ画にも同様に影響を与えた。そして、ルノワールもまた、これら二人の巨匠に影響を受けた。彼はより洗練され、より現代的な手法でこの主題を描くために、屋外に作成の場所を求め、モデルたちを裸にさせて描いたのである。

現在は米国フィラデルフィアのフィラデルフィア美術館に所蔵されている。

《浴女たち》の基本情報

  • 制作者:ピエール=オーギュスト・ルノワール
  • 作品名:浴女たち
  • 制作年:1884年-1887年
  • 製作国:不明
  • 所蔵:フィラデルフィア美術館
  • 種類:油彩
  • 高さ:115cm
  • 横幅:170cm
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